伝えたかったこと





「ねぇ、知ってた?僕はずっと、オマエが好きだってこと」

 黒いアイマスクをした男は、まるで私を責め立てるように愛を語った。
 その男が私の同期である五条 悟だということは見た瞬間に分かってたいた。しかし、どの時代の彼なのかは分からない。そんな彼の第一声がそのような言葉であったことに、私は驚いてしまった。

「何でアイマスクなんてしてるの?」
「冷静すぎない?僕が未来から会いに来たってのにさ」

 何故会いに来てまで告白しに来たのか、理解出来ずに私は首を傾げる。私の知ってる彼は、常に私を見下している。そんな彼が私に好意を抱いていたなんて思いもしなかった。だが、今考えるべきは目の前の彼であり、私は冷静に考える。大体、こういうとんでもない力を使う時は、深い事情がある時だろうから。

「もしかして……未来で私は死んじゃった?」
「いや、オマエが他の男と結婚するから」
「へぇ!私、結婚出来るんだ。でも今、それを私に言って変わるの?」
「……分かんない。けど、言うのが遅いって言われたから」
「そっか……じゃあ、私も意識してみようかな。そうしたら、可能性はあるかもね」


 そう、彼女は満更でもなさそうに笑った。
 目が覚めると、僕は高専に借りている部屋のソファの上で目覚めた。どうやら夢を見ていたようだ。

「……墓参り行けってことかな」

 今日は愛する君の、命日だ。






back


×
「#オメガバース」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -