「はっちん…」



鎖に繋がれ、グスグスと涙を流す人魚。

ユイは人魚に近づいた。



「ねえねえ、人魚さん。」

「え…、私?」



グスッと涙を拭い、ユイを見る人魚。

ユイはニコリと笑った。



「うん、そう。
 私はユイ、貴女は?」

「わ、私は、ケイミー。」

「そう…。
 ケイミー、さっき"はっちん"って言ってたけど、それはタコッパチ…じゃ無くて、たこ焼き屋の?」



ケイミーと名乗った人魚は、目をパチクリさせてから、表情に元気を取り戻した。



「そう、そう!
 そのはっちん!
 もしかして、はっちんと友達!?」

「ん〜、まあ、そんなトコかな。
 そっか、タコッパチの友達か…。」



ユイは少し考えて、何か決心したようなキリっとした表情をみせた。



「…出来れば、何も問題を起こさずに済ませたかったんだけど、仕方無いか。」

「へ…?」



何が何だか解らないといった表情でユイを見るケイミー。

ユイはニッと笑い、ケイミーの頭を撫でた。



「大丈夫。
 ミンナ助けてあげる。」

「ど、どうやって…」

「まあ、安心してて?」



ユイはクスクスと笑い、オークションの開始を待った。


オ ー ク シ ョ ン
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