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「相変わらずだな、ユイ。」
「…レイリーこそ、またギャンブルで敗けたの?」
懐かしむように瞳を細める老人、その名をシルバーズ・レイリーという。
ユイはレイリーを小バカにするような眼差しで見つめ、鼻で笑った。
「おいおい、それが父親に対する態度か?」
「え?どこに私の父親が居るって?
私の父はオヤジさんだけよ。」
「くくく…、お前はとことん母親似だな、ナタリーそっくりだ。
出来れば私にベタベタな所も似て欲しかったんだがな…」
「はっ!誰がアンタなんかに!」
先程までの可愛らしい雰囲気はどこへ行ったのやら、ユイはピリピリとした殺気を放ちながらレイリーを睨む。
すると、扉の向こうから女の子の叫び声が聞こえてきた。
「離して!離してったら!」