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「お父上様!
私、アレが欲しいでアマス!」
「まあまて、狩りは獲物がバテた時に狙うんだえ。」
ニタニタと笑う天竜人に怒りを覚えながらも、ユイは目の前のルーキー達をどうしようか迷っていた。
「…ここで新しい芽を摘んでいいのか?」
真剣に悩み始めるユイの腕を、ガシリとローが掴んだ。
「俺と来い、竜人。」
「いや、私暇じゃないの。」
「くくく、オモシれぇ。」
ヒュンッ
飛んできたのはユイの蹴り、しかしローはスルリと避け、ユイから距離をとった。
「お前をウチのクルーにする!」
「諦めてよ。」
ジリジリと詰め寄ってくるローから逃げるようにジリジリと後ずされば、後ろから痛いほどの殺気をあてられた。
「トラファルガー、それは俺のもんだ、手ぇ出すな。」
「それはこっちの台詞だ、ユースタス屋…。」
ユイを挟みバチバチと火花を散らす二人に、呆れながらため息をつくと、ハチが「ケイミーと他の奴隷たちも救出した」とジェスチャーを受けた。
ユイはコクリと頷き、その場を離れようとした。
その時、
バァンっ!バァンっ!
「やったアマス、お父上様!」
「ぐっ…!油断した…っ」
ユイの腹に一発、肩に一発、鉛弾が埋め込まれた。
ユイは血を吐き出し、床に膝をついた。