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「いってえぇぇぇぇぇ!ケイミーどこだあぁぁぁぁぁぁ!?」
イキナリ降ってきた麦わらのルフィは、イキナリ叫びだし、全ての注目を自分へと向けていた。
その行為に、ユイはイラっと来たが、今は自分の任務を果たすべきだと自分に言い聞かせた。
「…私はリリア・D・ユイ。
竜人族の末裔よ!」
そう宣言したユイは、確かに天竜人の注目を引いていた。
あの天竜人の事だ、伝説と言われているあの竜人族の末裔だと言うのであれば、例えどんな手を使ってでも手に入れようとするだろう。
人魚などには目もくれず…。
バサッ!
ユイは翼をはためかせ、空を飛んだ。
そしてハチの後ろへ降り立つと、ハチを思いきりステージの方へと蹴った。
「なぁにボケッと突っ立ってんのよ!?このハゲが!」
「ごふぅっっ!?」
ドゴォンッッ
物凄い音を立てハチはステージにのめり込んだ。
それをみたルフィは、当然のごとく「ハチに何すんだあァ!?」と殴りかかってきたが、ユイはスルリとそれを避け、ルフィも同じ様に蹴り飛ばした。
そして仲間と思われる数人に視線を向けた。
「…アンタたち、麦わらの海賊団でしょ?
見たとこ、タコッパチの知り合いみたいだし、丁度いいわ。
首輪と手錠の鍵はタコッパチに渡してある、後はあのバカをどうにか説明してさっさと逃げな、私が時間を稼ぐ。」
「わ、わかった!
誰だか知らないけどありがと!」
ダダッ
走っていく数人の男女。
ユイは腕をメキメキと音を立てながら変形させ、まるで竜の腕のような形へと変えた。
…いや、実際に竜の腕なのだが。
「さあ、この腐ったオークション会場をぶっ潰してあげる!」
ユイは右手を高らかに挙げ、降り下ろした。
会場がぶっ壊れるまで、あと10分。