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時 と 瞬 間
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「・・・ん、」


暖かい。
ふかふか。
薬品のにおい。
・・・え、どこ?

バッと効果音がつきそうな勢いで起き上がる。
ここは、どこ?
まったく、今日はどこか解らない場所で目覚める事が多い日だ。
そして気を失うのも多い日である。
寝ていたベッドから身を起こし、立ち上がる。
しっかりとした床の感触。あれ、私ってば裸足?

くるりとあたりを見回すと、よく解らない液体や粉末、細粒や植物の葉など色々入った瓶が所狭しと並べられた棚。そして私の腕から伸びる管、その先には・・・ん?点滴?
ってことはココは病院?
それにしては狭・・・
がちゃり。

「あ、目が覚めたんだ!君倒れたんだよ!」
「・・・クマが、喋ってる・・・」
「・・・クマが喋って・・・スイマセン・・・」
「う、打たれ弱いだと・・・!」


まてまて、打たれ弱いとかそうでないとか、そこは問題じゃないんだ。
なぜクマがつなぎを着て・・・、いやいや、それ以前にクマが二足歩行してる!!喋ってる!!
どういう、ことなの。
もう非常識、非現実的な事が連続して起こり過ぎて常識ってなんだっけ状態。常識がゲシュタルト崩壊起してる。
クマが私をここに連れてきた?
なんで?
このクマは私が倒れたって言ってたから、治療のためにつれてきてくれた?
それとももしかして何かの実験材料とかに・・・はわわはわわ!


「・・・大丈夫?」
「大丈ばない。ちょっと考える時間を下さい。」
「大丈・・・ばない??・・・うん。じゃぁ俺キャプテン呼んでくるね!」
「はい?」
「ちょっと待っててね!」


ばたん、ばたばた。
元気なクマだなあ。
さすがに造語は戸惑っていたみたい。(大丈ばない)
それにしても、本当にここはどこなんだろう。
耳を澄ましてみると、複数人数のがやがやと話す声。
ごうん、ごうんと何かの駆動音、一定時間で鳴り続けるピー、ピーというくぐもった音。
窓にはカーテンがかけられていて外は見えない。
・・・キャプテンって、何だろう。
キャプテン・・・主将、機長、艦長、船長。どういう人なんだろう。クマさんのキャプテンってことは、その人もクマさん?

そもそもここは病院じゃないのか?

「おい」

でも薬のにおいとか、この点滴とか、処置された感じ、巻かれた包帯とか、

「・・・おい」

クマさん可愛かったなあ・・・今度きたら撫でさせてもらおうかなあ・・・

「・・・おい!!」
「ふぇあああい!?」
「お前の耳は飾りか」
「いや多分こう会話できているあたり機能してrイタタタタ、やめ、やめ!」


ギリギリと耳を引っ張られる。
暴力反対!超痛い!

しばらく引っ張られ続け、耳の感覚がなくなってきたころ手は離された。


「い、いきなり何ですか・・・!」


じんわり痛む耳を手のひらで覆い見上げると、浅黒い肌の男の人。


「てめえが返答しねェのが悪い。」
「あ、もしかしてずっと話しかけてくれてたんですか、すいません。」
「・・・」
「申し訳ありません。」
「・・・はぁ。」


た、た、溜息つかれた・・・!
もしかしてメッチャ長い時間待たせてたのかも。


「待たせてしまって申し訳ないです。」
「・・・お前は、何者だ?」
「はい?」
「何の能力者だ。」
「能力者?」
「お前を診たのは俺だ。」
「はあ、ありがとうございます?」
「耳や鼻腔、口腔内や頭部から流血した跡はあるが傷がねェ。」
「はあ、流血・・・、」
「お前はあの爆風と共に現れた。お前は何者だ?」


彼がそう言葉を発したと同時に首筋に感じたのは、冷たい鉄の感触だった。



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またも中途半端にカット。


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