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時 と 瞬 間
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01


※こちらは某SNSでのそういった行為を推奨するものではございません。
※良識ある成人済の方のみお進み下さい。

上記ご理解の程お願いいたします。


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私はイッシュのとある鉄道員。
ただの、平凡な鉄道員。
ただ鉄道が好きで、ただバトルが好きで、道端に居るトレーナー達より、ただほんの少しバトルが強いだけ。
結婚願望、なし。
彼氏居ない歴は5年位。喪女?言うなばか!
今まで色んな人とお付き合いしてみたけれど、こんな私に付き合いきれないって去っていく人ばかり。


そんなこんなでフルフリーも十分に満喫して、そろそろ独りぼっちも寂しくなってきたし、誰かいい人探さないとなぁ・・・とは思うのだけれど。
まぁギアステーションで働く殆どの鉄道員は男性なわけで。
誰か捕まえてみるか、とか考えようにも地下鉄の穴ぐら勤務に素敵な人なんてそうそう居ないし(偏見)、やっぱり恋愛相談(主に出会い)は同じ女の子にしたいわけで。


カウンターや事務室に女の人はいるけれど、全員が全員ここのボスが目当てだと言っても過言ではないはず。「今日ノボリさんに話しかけられちゃった!」やら、「私なんてクダリさんに微笑んでもらったのよ!」だとか、絶対白黒ボス目当てで入社しただろお前ら!!


・・・はぁ。

帰宅早々ため息つくなんて、私ももうだめかしら。
普段から付けっぱなしにしてあるパソコンをスリープモードから復帰させる。

カチカチとネットサーフィンをしている時に、ふと最近話題のSNSが目に入る。
ライブキャスターがほぼ仕事用になってしまっている私には無縁だろうと思って登録もしていなかったその可愛らしくデフォルメされた鳥のアイコンに、ちょうど人恋しくなっていた私はまんまと釣られて会員登録。
匿名掲示板と何が違うのだろうと思いながら登録してみたものの、溢れるような人の数に驚く。

「ええ・・・プロフィールなんて書くの?別に空欄でもいいでしょ。生年月日入れて・・・ライモン在住、鉄子属性、っとこんなもん?・・・まぁ後は気が向いたら書くわ・・・」

もともと面倒なことは嫌いな性分である。
気まぐれに登録して、おすすめで出てくる人をフォロー?して、ログが流れているのを見ているだけ。
なんていうの?タイムライン?新しい言葉が多すぎて穴ぐら勤務には辛いものがある。

「ん?何これ。」

自らの顔を手で目隠ししているようなアイコンが気になり、クリックする。

「ん・・・、何これ、鍵のマーク?なるほど、ロックして不特定多数に見られることを防ぐこともできるわけね。何々、裏垢・・・?」

裏垢、というものを知らない事はない。
少し前に流行ったチャットルームやコミュニティサイトでも、アカウントを分けて普段遣いアカウントと、敢えて仲のいい人には見られたくない"そういう"アカウントを作って分けて運用する人だって居たものだ。
なるほど、裏垢ね。
この鍵垢さんはフォロー、フォロワー数も結構な数がいる。
ということは、"そういう"出会いを求めてこのSNSを使っている人も居るし、その話している"そういう"内容を傍から見て楽しむ人も居るってわけね。
なるほど、ね。

鍵つき・裏垢という存在にそわ・・・としたのは出来心か。
思わずトップへ戻り、アカウントをもう一つ。
匿名らしくできる限り情報は載せないように。煩わしくなったら鍵でもつければいい。

「んー、そうだなあ。"鉄子属性。鉄道会社勤務の社会人。チャラい人嫌い。29歳。裏垢。メッセージは気まぐれ返信" ・・・この位でいいかな。」

裏垢○○と繋がりたい、なんてタグがあったけれど、そんな飢えてないから特に募集とかガツガツとこっちからフォローとかもするつもりはない。
繋がりたいタグを検索して出てくるあられもない写真や動画にうわあ、と少し引きながらもタイムラインを流し見る。

"ピコン"

メッセージの通知が鳴る。

《突然失礼致します、気が向いたらお返事・・・》

チラリと途中まで見て、メッセージを閉じる。
もし私が一通りこの世界を観察した後にまだINしていたら、離席していたとでも書いて返信すればいいのだから。
それにしても、こんな場所で"裏垢"してるなんてがっついてるなあ。
絶対私とじゃ合わないだろうね。そんなん無理無理。
いや、釣られて登録した私も私なんだけれども。人のこと言えなかった?シー!

誰か面白そうなアカウントはいn"ピコン"・・・うるさいなあもう。
アカウントだけでも見てやろう。・・・【@nb】
アットマーク、えぬ、びー。何かの隠語かしら。
さっきの通知も同じ人。でも内容は後回し。

そうそう、ここのタイムラインに流れてくる内容って結構あからさまなのが多いのね。
この"ヤマブキ住み、これから会える子きて"とかまさにそのとおりでしょ。
やることやってサヨナラ。"そういうフレンド"募集中ってことね。


ふむ、一通り検索結果は覗いたけれど、興味をそそられる人は全く居なかった。
まぁ所詮そんなもんよね。

"ピコン"

・・・あぁ、@nbって人のメッセージ無視したままだった。
メッセだけか。軽く見た感じルームは立ち上げてないみたいだし、このまま返信すればいいのかな。

《席を立ってました。はじめまして。》

ありきたりな文に出来上がったと思う。そのまま送信を押し、返事を待つ。

《いえ、わたくしこそ突然失礼致しました。プロフィールを拝見致しまして、メッセージをお送りさせて頂きました。》

なにこの丁寧なヤツ。こんな所なのにお見合いみたい。
それにしても男の人で"わたくし"だなんて、いまどき面接でも使わないだろ。


《あれ、フォローリクエストは来てないみたいなんですけど、話しかけてきたってことはソウイウ事じゃないの?》
《いえいえ!ただ少しお話をしてみたかっただけなので気にしないでくださいまし!》
《あ、そう。》
《ええ。ご迷惑、でしたか?》
《全然。暇してたから。》

間があくこともなく続いていたメッセージが途切れた。

「・・・何か作るか。」

またメッセきてたらさっきみたいにすればいい。
そして私は台所へ向かった。




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鉄子:鉄道ヲタな女の子。



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