みんな家族2-1



はるひ様(相互様)のネタから妄想させてもらった【みんな家族】の続編・派生話。
後書きでネタ詳細、陳謝(>_<)

前回の7人と、他キャラ登場。幸村至上。信謙描写ほぼなくて無念…
後半は政幸のつもりが、友達な感じ; ※後半のみ、高校生〜幼児期(回想)。高校生幸、可愛くない気する´`

元ネタ(新メンバー・政幸の出会い・最後のおまけ)から、大幅捏造。テンションは前回より低(;∀;) ほのぼの・微ギャグ

V・D話で設定使わせてもらったので、前半は三月にしてみた。佐助は相変わらずごめんなさい;; 犬は、可愛いのをイメージして下され^^


(全4ページ)













もうすぐ春休みに入る、三月の中旬。

夕方、佐助とかすがはスーパーに買い物に来ていた。今日は部活が休みなので、佐助もついてきたのだ。(嫌がるかすがをよそに)


「「あ」」
「おう、今日は二人でか」

小十郎とバッタリ遭遇、世間話をしながら買い物を終え、三人は外に出た。近所なので、どちらも徒歩である。

「そういや真田の奴、犬欲しがったりしてねぇか?」
「…え、なんで?」

佐助はピクッと表情を固め、かすがは少し目を広げた。どうやら、思い当たる節があるらしい。

「こないだ公園で、こそこそエサやってんのを見かけてな」

「……まじかよー…」
「それは初耳だな」

「もし飼うなら、こいつなんかどうだ?」

と、小十郎はケータイの画面を見せる。そこには、とてつもなく愛くるしい、ポメラニアンの姿が。


「ッ……!!」

無音だったが、『可愛いぃ…!』と悶えているのが一目で分かる。そこは女の子らしかったかすがの反応に、小十郎はフッと笑んだ。

が、佐助は首を振り、

「ムリムリうちそんな余裕ないし、世話すんのどうせ俺様になるの目に見えてんじゃん、それに死んだとき旦那絶対泣くでしょ、だから飼えないって説得してんだから、余計なこと絶対吹き込まないでよね、」

「こっちの柴犬はどうだ?こいつも真田に似てると思わないか?」
「…確かに。はぁぁ……イイ…」

「……ちょっと。話聞けよ」

盛り上がる二人に、ぶっすりとむくれる佐助。

「こいつらを一緒に可愛がる、政宗様と真田…かなり良い被写体になると思わねぇか?」

「…結局そこかい」
「どうしても無理ってんなら、うちで面倒見ても良いからよ。ま、考えといてくれ」

そう言うと、小十郎は伊達邸に入っていった。



───────………




「余裕、なくはないんじゃないか?」

武田家の前で、ポツッと言ってみるかすが。
(信玄の稼ぎもそうだが、謙信の方もなかなかなので)

「幸村、案外世話しそうだがな」
「…だから、余計に情が湧くじゃん」

「……あぁ」

なるほど。
かすがは、佐助の顔を見て納得する。…どうしても、『泣かせたくない』わけだ。


(厳しいのか甘いのか…)


いつもの過保護っぷりに呆れる彼女だが、佐助への評価は少し上がる。
陰でわずかに笑い、『協力してやるか』と、犬の話題をやめた。




(……だから、飼いたくないんだよ)


──これ以上、他のポジション増やしてたまるか。
佐助は胸中で毒づき、犬にメロメロな幸村の姿を、頭から消去するのだった…













そんな話をした、翌日の放課後のこと。


「サスケ〜、客が来てんぞー」
「はい?」

ホームルームが終わった後、隣のクラスの友人がニヤニヤ顔を出すと、

「さすけぇぇぇー!!」

「だんっ…な゙ぁ!?」

どふっと腹に飛び込まれ、咳き込む佐助。
何でここに?と驚くが、幸村はひしっと抱き付き、顔はベッタリくっ付いている。

「旦那、なんで…」

「やー、かわいー!!」
「佐助くんの弟っ?」
「…あ、うんまぁ、一緒に住んでる…」
「じゃなくて隠し子だろ、かすがと」

のと言う前に、その彼の顔に三角定規(黒板用)がヒットした。


「あう、かすがどのもぉぉ…」
「幸村…どうしてここに?何があった?」

佐助から離れた幸村の顔は涙にまみれ、うっ、ひっ、とひっくり返りながらも、

「のらどのがいなくなった…っ、いっしょにさがしてくれ、さすけぇっ!」

「ノラ?──あ」


“こないだ公園で、こそこそエサを…”


小十郎の言葉を思い出し、顔を見合わせる兄と姉。まさか、ずっと通っていたのだとは…

──野良犬の行方など、雲を掴むようなものだろうが、


「…分かった。探してみるから、旦那はかすがと家に帰ってな」
「だがっ」
「もうヘトヘトでしょ、あとは俺様に任せて。ね?」

手分けなんてしたら、どこまで行って事故に遭うかも分からない。優しく諭すと、幸村も大人しくかすがの手を握った。









そうして佐助は部活も休み、公園の付近からかなり遠くまで探し回ったが、それらしいものどころか、野良犬自体一匹も見つからなかった。

空は暮れ始め、戻った公園のベンチに座り込む。


「そっちも駄目か」
「…かすが」
「幸村は謙信様に預けてきた。私も、向こうを探してみたんだが…」

と、かすがもベンチに腰かける。


「…まさか、その犬を欲しがってたとは思わなくてさ」

佐助はポソッと言い、「飼えなくても、飼い主見付けるくらいしてやるんだった」

ついさっき知ったのだから、仕方なくはあるが…自分の心の狭さを悔やみ、佐助は落ち込む。


「……警察に聞けば、何か分かるかも知れない」
「あ…そっか!」

何日も前からいたのなら、連れていかれた可能性もあるわけだ。佐助の中に、希望が射し込むが、

「あ、家からだ」

鳴り出したケータイを取ると、

『さすけ!かすがどのはっ?』

「旦那…一緒にいるけど、代わる?」
『あっ、いっしょならいいのだ!』

幸村は、全く違う明るい声になっており、

『あのな、のらどのみつかったぞ!おやかたさまがつれてきてくれた!』

「えっ……、マジで!?」
『うむ!だから、かえってきてくれ!かすがどのも、』
「あ、うんうん分かった、すぐ帰るから!」

通話を切り、佐助はかすがに向き、

「大将が見つけたんだって!信じらんねぇ…ッ」
「ほ、ほんとか!?…良かった!」
「旦那、ちょー喜んでて──ああもう、また大将の株上がった!」

と悔しがりながら、佐助も満面の笑顔だ。

まったく、とかすがは呆れ笑い、二人は急いで家へと走った。

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