みんな家族1


はるひ様へ、贈り付け。

※こちらは、はるひ様(相互様)の素敵妄想ネタをお借りし、それに対して私が好き勝手に二次創作させて頂いたものです。

本家とは違ってるとこ多々、なのにそっくりそのまま台詞使わせてもらったりと、横暴し放題。

↓妄想ネタの基本的な点(あとは、せめてオチ隠し)

・信謙が夫婦(母の性別不明)
・佐助長男/かすが長女/末っ子幸村
(家族全員、名字はそれぞれのやつ)
・お隣さんは伊達家(+こじゅ)
・兄(佐)VS幼なじみ(政)
・幸村鈍感
・姉は母しか見えてない
・佐助はだんなだんなウザい
・政&幸→年長さん・佐&かす→中一

で、私が書かせてもらったのは、家族は血縁がなくて、この一家になったところから…な感じな捏造話です。

・幸村至上
・夫婦は仲良し色気なし
・私のかすが好きが爆発
・政→幸←佐のつもり
・親バカばっか。こじゅ重症(伊達家のオチは、はるひ様のネタ)
・私の謙信様のイメージだから、色々称えたつもりだけど、多分違う

超乱文ですm(__)m
でもすんごい楽しかったです。
はるひ様、素敵なネタをこんな捏造して、本当にすみません;


(全4ページ)













ここ武田家では、一家の大黒柱である信玄、長男で家事担当の佐助、まだまだ幼い次男の幸村、の三人が仲良く暮らしていた。
皆名字が違い血縁はないのだが、そんなものは無関係、どの家より絆は本物だ。

佐助は中学一年生、幸村は年長さんの、七歳差。であれど、二人は友達のように距離が近い。
幸村は、佐助も信玄と同じくらい「大好き」で、佐助は「大」を数では表せないほどに、幸村を溺愛していた。

そんな平和な一家の姿が少しずつ変わり始めたのは、ある夏からのこと。



「旦那、このアニメ好きだねぇ」
「うむ!」

「(ぐぁっ…ッ!!)」

幸村の嬉しそうな笑みに、佐助の顔はたちまちとろけた。
頭の中では、この奇跡としか思えない天使を弟にしてくれた信玄や、それがきっかけでいるかも知れないと思い始めた神様に、多大な感謝を述べる。


「ぱぱどのとままどのが、かっこよくてきれいなのに、じつはすごくつよいのだ!」

平凡な一家を装いながら、実は秘密組織の戦闘員…という設定で、彼らが敵を華麗にやっつける姿に、幸村はとことん惚れ込んでいるらしい。

夫婦には双子(男女)の子供があり、彼らも同員で、少年少女なのに賢くて腕も立つのである。


「○○(少年の名)どのは、さすけににておる!いつもやさしいのに、おこるとすごくこわいところ!みんな、がたがたとふるえだすのだ。わらいながらやっつけるのも、そっくりだっ!」
「あははは、旦那ったら〜。旦那には、怖く怒ったことなんてないでしょ〜?」

「おれじゃなくて、ほかのみんなな!だから、おれは○○どのがいちばんすきなのだっ!さすけみたいに、すごくかっこいいから、」

「だんなぁぁぁ(感激)」

ぎゅうぎゅうと小さな身体に腕を回せば、幸村の口からくすぐったそうな笑いがこぼれる。

そんないつものやり取りを終えた後、二人は七夕の飾り付けに取りかかった。

毎年の恒例で、自分に倣い幸村が不恰好なものを一生懸命作る姿に、佐助はほのぼのとした気分に癒される。


「願い事、書けた?」
「うむ!…かなうといいなぁ」
「去年みたく、良い子にしてたら叶うかもね?」
「!おかたづけする!」
「うんうん、えらいね〜」

二人で片付けをし、おねむになった幸村を早々に布団へ寝かし付けると、信玄が帰ってきた。


「おぉ、今年も綺麗に飾ったのう!」
「旦那、去年よりは上手くなってますよ?も〜、今日も可愛くって可愛くって」

佐助が夕飯を温めている間、信玄は短冊を見ることにした。


(佐助は『家内安全』か。幸村は…)



「………」

「大将?」
「──ああ、すまぬ。…むっ、旨そうじゃな!」

料理を味わいながら、信玄の頭の中は、ある思いで一杯になっていた。











七夕から何日か過ぎたある日、佐助が中学校から帰ると、玄関に見慣れない靴が並んでいた。


「さすけ、おかえり!」
「おお佐助、帰ったか」
「…あら?」

信玄と幸村以外に居間にいたのは、予想外の人物で、


「ひさしぶりですね」
「あ、どうも…」
「……」

客人は、信玄の親友である上杉謙信と、娘のかすがだった。
ここもこちらと同じくで、血縁はないのだが、家族愛は本物。そして、かすがの謙信へのデレっぷりは、佐助の幸村へのと匹敵するほど重症である。

以前は武田家の近所に住んでいたのだが、ここ数年は別の地にいて、今回また戻ったのだという。
かすがは佐助と同い年で、幼なじみに当たるわけだが、


(相変わらずツレないねー)


無視同然の態度には、すっかり慣れている佐助。
幸村は二人とは初対面だったが、佐助が帰るまでに接した時間で、彼らを大いに気に入ったらしい。

それもそのはずで、


「あのなあのなっ、さすけ!ねがいがかなったのだっ…!」
「え?」
「そういうことじゃ、佐助」

「はい?どーいうこと?」

「これから、すえながくよろしくたのみますよ、…さすけ」
「は?はぁ…」

(引っ越しの挨拶に、そこまで畏まんなくても…)


…あれ?
俺様、名前で呼ばれてたっけ?

どうだったかな、と考えを巡らせる佐助だったが、数秒後に即座に解決する。



「喜べ佐助!今日より、お前にも母と妹がでるんじゃ!嬉しかろう!?」



さらに数秒後、武田家の居間を、信玄と幸村に負けぬ雄叫びが響き渡った…。













“ははうえとあねうえが、ほしいでござる。─ゆきむら”


(まさか、大将がここまで親バカだったなんて…)


あの幸村の短冊を思い出し、呆れた表情を浮かべる佐助。
信玄と謙信は、早速『祝いだ』と、酒盛りを始めていた。


「…ていうか、上杉サンって女だったんだ」

佐助の呟きに、謙信はフッと笑うと、


「おとこやおんなということなど、わたくしにはむいみなことなのですよ」

「え?…でもそれじゃ、夜どぐふッ!」
「貴様ぁぁ!謙信様に向かって、下品な発言をするな!死にたいのか!?」

「(おぉ…っ、なんとすばやい…!)」

幸村は、昼間見せてもらったかすがの身体能力(超『高い高〜い』や忍者ばりの木登り、鉄棒高速回転など)に、完全にオチていた。
よって、佐助の腹にめり込んだ一撃にも、尊敬の念で一杯だ。


「だって、誰でも思うことだろー!?俺様は心配してんの!子供できるのかな、とか」
「ああ、しんぱいにはおよびませんよ」

謙信は微笑むと、


「こどもなら、もうさんにんもいいこたちがいますから」
「うむっ!正にじゃな!さすがは謙信、あっぱれよ!妻と母の鑑であるな」
「それは、こうえいのひとこと…」

うふふ、わはは、と何だか今までと全く変わらぬ二人だが、これはこれでラブラブなのだろうか?


「かすが、よく納得したなぁ」
「──私の幸せは、謙信様が幸せであることだ」


(まぁ、俺様だって大将が幸せなら…)


しかし、彼女の方は強がりも大分あるだろう。一抹の不安を抱きながら、佐助はいつものように家事をこなすのだが…

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