02.オッドアイの少女


「で、先日の天人事件だが、被害者全員が青龍組だということが判明した」

屯所。
定期的に行われている報告会で青龍組事件について話し合いが行われていた。
あの青龍組を一人残らず惨殺−−−。
殺し方は至って単純。撲殺だ。しかも確実に急所を一発。一発が重いのか身体にめり込む一撃のようで見るに堪えないものだった。1番酷かったのは組の頭。跡形もないとはああいうものをいう。

もう1つ重要な不可解な点がある。

「で、近藤さん。例の女の行方は見つかったのか?」
「・・・いや、まだ消息すら不明だ。コンビニの店長もとても心配しているが、あの子が事件に関わっていることは間違い無いだろう。」
「みょうじなまえか・・・」
ごく普通の少女。客からも評判が良く、周りからの信頼も厚いという。しかし、当日は彼女のシフト時間なはずだが彼女の姿が無かった。事件少し前に煙草を買いに行ったという男によればいつものように接客してくれたという。そして現場に散らばっていた破られたその店の女性用の制服・・・。これはもう、

「みょうじなまえとかいう女が犯人で決定じゃねィですか」
「・・・総悟、遅刻だぞ」
吸っていた煙草を灰皿に押し付けながら遅れて部屋に入ってきた少年に呟く。少年と言うも彼は侍。ここ真選組の一番隊隊長だ。
ダルそうに隣に胡座をかいて座れば資料をぺらぺらと捲る。遅刻した人間は反省している様子を見せるはずだがこいつは反省という文字を知らないのだろう。毎回この調子だ。

「近藤さん、このヤマ長い期間必要になりそうだな」
「あぁ、各々他のヤマで忙しいとは思うが継続でこのヤマも調べてくれ」
はい!と野太い声が響き、解散と宣言されれば各自仕事に向かっていった。俺も自室に戻ろうと腰を上げると「トシ」と先程まで話をまとめていた近藤さんに呼び止められる。
「なんだ、まだ何かあんのか?」
「・・・いや、実はこの事件とは関係無いとは思うんだが妙な指示がとっつぁんからあってな」
「妙な話?」
「『オッドアイの少女を見つけろ』」
「オッドアイ?」
「近藤さん、レッドアイなら確かまだ冷蔵庫に入ってやしたぜィ?」
「それを飲んでお妙さんのとこまで飛んでいきたい〜って、そっちじゃなくてな!レッドアイな!?」
「バカはほっとけ。で、その女がなんなんだよ」
ごほんと咳払いし近藤さんは胸元から1枚の写真を取り出した。そこには少女というより幼女が、銀色の髪は肩まであり三つ編みをされていた。そして目は右目は薄い赤、左目は翡翠のオッドアイ。その前にこの顔付き・・・
「・・・似てるな」
「似てるというか、間違いなくこの女じゃねィか」
「お前らもそう思うか?」

資料に載っている少女はオッドアイでは無いものの、近藤さんが手に持っている写真の幼女を少し成長させた姿そのものだった。


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