「よしぎゅう、って知ってる？」
「え？何それ？」
「ヨシヨシって言いながらギュウって抱きしめて慰めるみたいな事を言うらしいよ」
「えー？なにそれ！面白い！」
「頑張っている子にはしたくなるのはわかるわね。よしよしと言うよりも、だけど」
「あー、わかるかも！なんか、褒められなれてない子とかやと、褒めたい！ってなるよなぁ！」
「誰ー？」
「……褒めたい……んー……緑谷とか？いっつも爆豪に絡まれるの頑張ってるねーみたいな？」
「それ、嫌味でしょ！」
「あはは！ホントだ！」
「百ちゃんは、どうかしら」
「えー！良いなぁ！飯田くんとかはバカ真面目に返してくれそう！」
「大穴爆豪じゃない？むしろ！」
「絶対怒る！」
「えー、褒めんな！って？」
「それなら名前ちゃんとかも良い反応しそう！」
「なら今から順番にやってこ！」
「誰が誰する？」
「え、ちょっとまってまって！爆豪君にするん？！」
「「……えぇ……」」
「ま、ま、とりあえず、緑谷と、飯田と、ヤオモモと、肉倉さんかな！」
「そんで爆豪行くー？！」
「やだー！」


「ねーねー、肉倉ぁ！よしぎゅうって、知ってる？」
「知っているわ！」
「意外！やっぱり流行ってんだねー！」
「流行っているの！？そうよね！間違いないわ！流行らないほうがおかしいわよね……！！」
「え？ん？そう？まぁ、嬉しいもんね」
「嬉しい……そうね、美味しいもの。嬉しくなるわね」
「美味しい？シチュエーションとしては良いよね！」
「そうね。悪くないみたいよ」
「と言う事で、肉倉さん爆豪によしぎゅうしてきて！」
「あれ、名前ちゃんわかってると思う？」
「どうかしら……」
「……？爆豪勝己に？と、ではないの？良いけれど……」
「え、ほんと？！やっぱ仲良いんだ！」
「食事をともにした程度よ」
「良いんだ！！」

「爆豪ー！」
「あ゛？」
「ほら、ほら！肉倉さん！」
「爆豪君、今日放課後空いているかしら」
「あ？空いてね……」
「お母様に一度確認をとって貰いたいのだけれど。問題がなければ、ヨシギュウにしましょ」
「え！認可制？！」
「聞けや！」
「食事のお誘いをしているのだけれど」
「ちょ！ちょ、ちょ、ちょ！待って！よしぎゅうって！吉牛！！？ちょっと……んふ、んふふっ」
「……違うの？」
「……うぜぇわ！話しかけんなや！！」
「んふっ、ネタにしかならない……！！」
「行きましょう、爆豪勝己！」
「行かねーわ！！」
「え、なになにー？どっか行くのか？」
「ヨシギュウよ！！」
「んふっふふふふ！」
「あかーん！もう無理！名前ちゃん、わらかさんとってーー！」
「おー、なんだなんだ？飯行くのか？」
「マジ？俺も行こっかな、腹減ってっし」
「爆豪も行くっしょ？」
「あ？行かねーつってんだろ！！」
「なんでだ？行こうぜ！爆豪！」
「私も行くー！」
「デクくんは？」
「僕？！僕、は、その！お母さんがご飯作ってくれてるから……！」
「そっかぁ、残念！また行こ！」
「う、うん！うん！あり、ありがとう！！」
「私も、今回は遠慮させて頂きますわね、母が待ってますの」
「蕎麦あるのか？」
「んなモン有るわきゃねーだろ！！！」　
「……なら、行かねぇ」
「誘ってねンだよ！」
「君達！学校が終わったら真っ直ぐ……いやまて、……親睦を深めるのも大切な…………！」
「じゃあ爆豪行くってことな」
「あ゛ぁ？！なんでだ！！！」
「そういう流れだったじゃーん！」
「行かねー！つっとんだろが！！」
「そーなの？行かないの？爆豪」
「マジ？肉倉さん張り切ってたのに、残念！ね！」
「名前ちゃん、気を落とさないで」
「……落としていないわ」
「まじかよ爆豪、」
「女子悲しませるとか、漢らしくねぇぞ！」
「いやいや、男らしいとかじゃねっしょ……」
「その顔ヤメロ！！しね！！！」
「名前ちゃん、私は弟たちが家で待っているの。ごめんなさい、また誘ってちょうだいね」
「ええ。勿論よ」
「砂藤ー、障子たちも、行かねー？」
「俺は遠慮しておく」
「昨日ケーキ作り過ぎちまって、食わねぇとなんだよ、わり！」
「……なら俺も、」
『フミカゲ、イカネーノ？イコウゼ！』
「ふむ、……なら、行こう」
「耳郎は？」
「ウチ？どーしよっかな」
「えー、行こーよ！」
「……じゃあ、行こうかな」
「良かったね！名前ちゃん！いっぱいや！！」
「ええ！！そうね……！」
「あ、待てよ爆豪ー！」
「あー？！ついてくんじゃねぇ！！！」
「行こうぜ！」
「ほら！青山も立って！！」
「ボクは行かな……ウィっ！！行か……っうぃ！！」
「名前ちゃんもいこ！！」
「肉倉さーん！行こ！！」

「ええ！」



「爆豪勝己、私はあれから経験をつんだのよ！」
「知らねぇわ」
「決まったかー？呼ぶぞー？」
「頭の大盛りつゆ抜きでお願いするわ！あと、ネギも抜いて頂戴！半熟卵も一つ欲しいわ！」
「ブハ！注文慣れすぎだろ！やべぇ！」
「ドヤ顔すんな！！オッサンくせェ」
「オレもそれにしよ」
「じゃあ俺も!!爆豪は！？」
「大盛り一つ」
「ノリ悪ーい！並一つ！」
「てめぇもだろが」
「私も並盛」
「ウチも」
「えー、みんな少食ー……大盛りにしよっかな！」
「待て！君達！一度注文を纏めよう！！」
「混沌」