長くなってしまいましたが…どぞ
あと、debut設定になります





「明日誕生日だろ?俺様が直々に祝ってやる!どだ!嬉しいだろ!」

「うん!うれしい!」



そんな会話をしたのは昨日。
待ち合わせは今日の19:00 駅前時計台前。




あきれるほどに。



今日は日曜日 天気は晴れ 気温もちょうど過ごしやすいくらい。
朝一で大好きなフルーツを食べちゃうくらい、今日の私はハッピーだ。

なんたって今日は私の誕生日。
今日の夕方から、彼氏の翔ちゃんとデート


俺様が直々に祝ってやる


なんて男気全開でいうもんだから、ちょっぴり…いや、めちゃくちゃ期待しているのは内緒。

今日のデートのために今から友ちゃんとショッピング!
春ちゃんは今日は夕方までお仕事らしい。
作曲家って大変だね。
って私も作曲家だけど。

翔ちゃんの曲は春ちゃんが作ってる。
私は友ちゃんの曲。

だから春ちゃんが仕事ってことは翔ちゃんも仕事。
2人が一緒なのかな、なんて思うとちょっぴりさみしいけど今はがまん!


「秀!これもいいんじゃない?」

「あ!それかわいい!あ、でもこれもよくない?」

「いいねそれ!似合ってる!」

「うー…迷う!」



いま、翔ちゃんのためにかわいい洋服を選んでいるのです。

翔ちゃんの彼女にふさわしい様に頑張るのは楽しい。
いままではオシャレなんて気にしなかったのにな…


「もうすぐ19:00よ?」

「うわー!どうしょ!緊張してきた!」

「デート久しぶりっていってたもんね〜?ちゃんとバッチリ悩殺してくるのよ☆」

「ちょっ、友ちゃん///」




友ちゃんと別れて待ち合わせ場所に向かう。
駅前の大きな時計台の前。ここは翔ちゃんとのはじめてのデートの場所。


待ち合わせまで、あと5分。



* * * * * * * * * * * *



「っしゃー!いい曲できたな!」

「はい!これも翔くんのおかげです!」

「七海もがんばったろ?」



長い時間をかけて一曲のすげーいい曲ができた。
何分かけたんだろうなんて携帯を開くと、真っ暗だった。充電がきれたらしい。


「あー…しっかし腹へったな〜」

「ですね…何か食べに行きますか?」

「だな!いこうぜ!」



仕事のあとはやっぱメシだ!


なんていつものカフェにいった。

カフェのとけいは20:00をさしていた。
すげー頑張ったんだなって実感した。


「これで次のオーディションも楽勝だな」

「そうですねっ」


テンションがあがるにつれ、話もヒートアップしてきた。
そろそろ帰るかなんて時計をみたら、21:40分くらい
けっこう話し込んでいたな



七海を寮までおくって自分の部屋に戻る。


帰ると、藍も那月もいなくて、つまらないからとりあえずTVを見ることにした。

TVにうっつた時間は22:00を超えていた。












「…ちゃん、翔ちゃん」

「ん…那月?」


いつのまに寝ていたのか、那月が起こしてくれた、


「遅かったな、那月。」

「翔こそずいぶん早い帰りじゃない」


振り返ると藍もいた。
なんか…怒ってる?



「お前…なに怒って…」

「…もう肌寒いんだから帰れば?っていっても、帰りたくない、待つのっていって聞かなかった。」

「は?」

「それでも僕達は説得したんですよ?帰ろうって…。でも泣きながら拒むんです」

「…何、いって…」



「ねぇ、翔。今日は何の日?」




ハッと俺が気づいて部屋を飛び出したのは
23:40頃だった




* * * * * * * * * * * *



どれくらい待ったんだろう?



翔ちゃんまだかな、なんて少し泣きそうになったのは21:00くらいで。
その少しあと、買い物帰りの藍くんとなっちゃんに会った。


「翔はもう来ないんじゃない?帰りなよ。」



そう言われて、優しく腕をひっぱられたけれど、私は拒んだ。
だって仕方ないじゃない。約束したんだから、待ってるって。


それから無理やり2人を帰した。


2人には帰らないなんていったけど、少し帰ろうと思う自分がいる。もう許してなんかやらないんだからって自分がいる。
別れてやる…って自分がいる。
大丈夫かな、翔ちゃん。事故とかあってないよね…


私の誕生日はあと10分


なんて考えたら涙がポロリと流れた。
それを合図に両目からポロポロ涙がこぼれる。


「なにこれとまらない。」


とまらないよ、助けてよ翔ちゃん。


駅前の明かりも少しずつ消えていつしか人もあまりとおらなくなっていた。

もう帰ろう、なんて思ったのに。




「秀!!」



ずるいよ翔ちゃん。



* * * * * * * * * * * *


俺の前には今にも泣き崩れそうな秀がいた。
走ってきたせいで息があがり、上手く話せず、ごめんが言えない。


「遅いよ、翔ちゃん」

「…っはぁ…はぁ、ごめん。」

「私ずーっと待ってたんだから。…なんて今更言わないよ」



泣きそうなのに泣かないこいつに、
なぜだか俺が泣きそうになった。



「なに…してたの?」

「…っ…七海と、作曲してたら、
時間わすれててそのままメシ食ったりしてたら…寝ちまって…ごめん」

「そっか。」

「…おこらないのか…?」

「怒れないんだよ、…ばーか」



大好きだから



そういって秀は涙をポロポロ流して顔を歪ませた。



「ほんとはっ…ずっとずっと、不安だった!翔ちゃん事故とかあってるかもって!私を嫌いになったのかもって!電話しても出てくれないし…私…っ…」

「…秀」

「でも、待ってるって私言ったから、…怒ろうとおもったよ?…怒れないじゃない!…お仕事なんだからっ…翔ちゃんだって疲れてんだからっ…大好き…だからっ」

「…っ…秀っ…」



俺はたまらずだきしめた。
いつも以上にこいつが愛しい。すきだ。
大好きでたまらない。たまらなく愛おしい。



「秀っ…ごめんっ…!」

「うぅっ…や…だっ…」

「ごめんって…」

「ゆるさ、ないっ…」



そういいながらも、俺にしがみつく秀



「なぁ…秀」

「っ…うーっ…」

「ハッピーバースデー」

「…んっ…」


あきれるほどに

時刻は23:59
俺はあふれるほどのキスを
彼女にプレゼントするんだ。

(翔ちゃん…大嫌い。)
(…え。)
(…の反対…)
(…のやろーっ…///)





リクエストありがとうございました( ´ ▽ ` )ノ
長くなってしまいごめんなさいっ( ;´Д`)!
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krsk






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