20180712 ないつの日(君のために5題)-恥じらいさえ投げ捨てて 朔間凛月 今日はユニット練習日だったのだけれど、なぜかみんなの都合が合わなかったので、民事的に多数決で今日の練習が流れた。別日にふりかえだとのこと、俺はレオに全員が連絡見たかよろしく。と言われたので、念のために各個人に連絡を入れたのだが。りっちゃんだけがどうしても連絡がとれない。既読もつかないのでねてるかもしれないのだが。 さて、どうしたものか。りっちゃんの教室にはナルくんがいるからりっちゃんの教室は探さなくていい。来たら連絡だけ入れてほしいと連絡も入れてるのでとりあえずは候補二つ。とにかくりっちゃんを探す旅に出かけるとする。重たい腰を上げて、ガーデンテラスかいつもよく使うスタジオのどちらにしようかと剣呑に考えながらとりあえず今日は練習も流れたから全員連絡がとれたらさっさとかえりたいなぁ、なんて思いつつ 思考は家に帰ってからどうするかを考える。 とりあえず近い方であるいつものスタジオに入って誰もいないことを確認してガーデンに向かうか。とそしてそのまま転校生が作った寝床を確認すると、人一つ分のふくらみがみえた。ここにいたのか、と思いつつ声をかければむにゃむにゃ言いながら、寝返りを打って長い腕を俺にしたたかに打ち付ける痛いから、そっと距離を開けようとするが、俺の足にりっちゃんが絡みついて、転がそうとしている。ほら、起きてるんでしょ。りっちゃん。とゆさぶれば、薄目を開けたりっちゃんがこっちを見ていた。 「りっちゃん、俺を寝床に引きずり込まないで。」 「ふ〜ちゃんどしたの?」 「今日の練習なくなったよっていう連絡を、まわしにきたの。」 そっか、ありがとう。じゃ寝よ文。と俺の腕を絡みとってりっちゃんは俺を布団の中に沈めようとする。こらこら引きずり込まないの、海の妖怪か。まぁ、吸血鬼だから一種の妖怪だけどねえぇ。と声色が跳ねてるので遊ばれてるらしい。俺はそのまま抵抗するだけの体力を消費するのも嫌だったので、りっちゃんのされるがままに寝床に引きずり込まれる結果になって抱きしめられて居る。 「ふ〜ちゃんって抱きやすいサイズ〜。いい番犬だよねぇ。飼い主に吠えないし。ちょうどいい枕だよね〜」 「家に帰ろうと思ってたんだけど、ゆっくりしようって思ってたんだけど。」 「だぁめ。」 …だめっすか。そっか。とおれは仕方ないので、そのままがままにしておく。目を開けば正面にりっちゃんの顔があって、ちょっとずっと視線を感じる。見られることには慣れてるけど、これぐらい近い距離でみられることなんてそんなにない。ちょっと慣れてない距離からの視線に俺はちらりと目を開くと、真っ赤なが目が楽しそうに笑ってる。…いつのまにかレオとセナが居ればいいっていう世界にすーちゃんとナルくんが入って、そこにすーちゃんがやってきた。俺の心に五人が居て、みんなのプロデューサーがいて、七人でみんなが笑ってる未来っていうのがどんなのになるのか、ちょっと楽しみになってる自分がいる。どうも周りに感化されてるのかね。ちらりと目があって俺は反らすのも悔しい気がしたので、笑うのを耐えながらじっとそのまま見つめ返す。恥ずかしいとかそんなもんはない、昔から見られてるお仕事してるし。うん、そのまま俺はりっちゃんの赤い瞳をしばらく見てるとふいっと視線を逸らした。勝った!っていうかなんでこういう勝負してたっけ?いやしてないよね。でも嬉しくてちょっとニコニコしてたら怪訝な目をしてみられた。いいじゃん。 「じーっと見つめてて楽しいの?」 「それ、おんなじことりっちゃんに問いたいよ。っていうか離してくんない?」 「もうちょっと恥ずかしがるかと思ってたんだけどなぁ」 「ねぇ、俺小さなころから人から見られる仕事してるの知ってるよね。」 そうだった。みたいな顔するのやめて、俺ちょっと悲しいんだけど。俺これでも天下を取った子役なんだけどなぁ。 31D 君のために5題 恥じらいさえ投げ捨てて 朔間凛月 ←/back/→ ×
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