スカウト ブライダルと俺。-1 徹夜で書き物しても終わんなくて、そのまま学校に来たのは、鳴上くんがどうしても抜けれない用事があるからと、代打を頼まれたから。 なんか分かんないけど、どっちかっていうと、セナのストッパーらしいのだが、当の本人たちはまだ来てないので、俺は一旦仮眠をとるためにエナドリ一気して机に突っ伏して寝る。寝てるけど聴覚はうっすら聞こえてる。そのままうとうとし始めてたら、ものの5分で羽風と転校生がセ来た。どうやら俺に気付いてないので、俺はそのまま寝る。中途半端に寝ると、徹夜明けの俺にはかなりつらい。そのまま寝る。うとうとしていい気分になってたら、遠くからセナの足音がする。顔浮腫むとか言われるのかな、とか思いつつ寝てたい欲がかなり勝る。 「あい邪魔〜。そこに立っていられると中に入れないんだけど〜」 「おわっ、ビックリした!?何で瀬名くんが?もしかして助っ人って瀬名くんのことなの?」 「違いますよ。鳴上くんに助っ人を…」 あぁもういちいち説明するとかチョ〜面倒なんだけど。という声を聞きながら、セナだなぁ。思っておると意識が遠退いてきた。と思ったら一瞬で揺さぶられて俺の意識がぼんやりとする。 「起きなよ、顔浮腫むよ?」 「徹夜明け、今寝たとこ。大丈夫、浮腫んでない。」 「なるくんが急な仕事が入ったとかで、来れなくなっちゃったからさ。俺と文哉と代理を頼まれてきてやったの。」 目を擦ると、怒られたがついでに二本目のエナドリを飲む。すぐに聴くかは分かんないけど、炭酸で多少目が覚めればいいとか思ってる。文哉も一旦かおあらってきて、さっさと練習に入るよ。と言われるので、俺はひとつ頷いて顔を洗うために、外に出る。飲みものいるー?と問いかければ、ならお願い。というので、ついでのお使いも済ませるように財布を持って廊下に出る。部屋を出しなにセナがモデルの仕事を休んでるのにと言うので、俺はさっさと戻ってきた方が良さそうだ判断する。 まどろんでる頭の中をしゃっきりさせるために一番近いトイレに寄って顔を洗ってから、近くの自販機で人数分の飲み物を適当に買う。セナは何を飲むかわかんないので、水もついでに買っておくと良いのは、最近知ったこと。カロリーないもんね。うん。ブラックもいるか。と考えながらあれもこれも買ってたら人数の倍以上の本数を買ってた。まぁ、飲めるからいいんだけど。袋持ってきたらよかったとか後悔しつつ部屋にはいると、練習が始まってた。一番後ろで見ていた転校生が俺の入室に気がついて、俺から飲み物を取り上げた。 「あ、お帰りなさい。買いすぎてません?」 「眠気防止にと思って買いすぎた。飲みたかったら好きに飲んで。」 机の上にどさっと置くと、転校生は悩んでからココアを手にした。物量にちょっと引かれたけど俺は気にせずブラックコーヒーのプルを起こす。グビッと飲めば、缶コーヒー独特の酸っぱさが口の中に広がる。なんで缶コーヒーって酸っぱいかねぇ。と呆れていると、あんなので合格点をやれるわけないじゃん。駄目駄目すぎて話になんないレベルだったよいやさすがにそれは厳しすぎない?話にならないほど酷いレベルだとあ思わなかったよ。駄目なら駄目でその理由を話してもらわないと納得できないよ。と羽風とセナの声が聞こえる。俺は飲みかけのコーヒー片手にセナの手の中に入っている画像を奪う。 「文哉も、思うよねぇ。」 「あー。言いたいことはわかるよ。」 そのまま二枚目三枚目と捲るが、同じ顔した羽風がそこに写っている。カメラの向こう側をって言うよね。と言えば、そうそう。俺たちの相手はカメラの向こう側に居るんだよ。あんたのは実生活やステージ向けなのわかる?モデルとしてこの仕事を成功させたいなら写真を介して気持ちを伝える努力をして見た人の心を揺さぶるつもりでやってみせてよ。 「まぁ、言いたいことはわかるけど、初心者にそういうの求めるだけハードル高過ぎ。」 「言ってるおとはわかるんだけどさー。気持ちはしっかり込めたし何が違うのかわかんないなぁ?」 写真と言えば、ブロマイドがあるじゃん。あれならいつもお客さんは喜んでくれるよ。そりゃ羽風を求めてりゃ買うでしょ。雑誌の表紙は、羽風が目的じゃないの。 はい論破。とセナにデータを返すと、アイドルとモデルは違うってことを理解して。と大きな釘が一つ。俺もそっちよりだけど、まぁ多少方向性が違うのでなんとも言えないが、羽風がヒントをくれないとわかんない。と言う。俺はなんも確認せずここで寝てたので改めて転校生から企画書を拝借する。ブライダル特集らしい。じゃあ比較的簡単な方だと思うけどね。カメラを花嫁だと思えばいい。ドラマの撮影だってそういうシーンがある。ヒロイン目線の物語なんて撮ったこともあるが、カメラに壁ドンとかやったけど、ほんとそれ。 「文哉、と俺がお手本を見せてあげる。」 「え?俺も?」 「はい、さっさと動く。」 モデルスイッチ入っちゃったよ。あの子。こうなったら俺も止めれる気がしないので、さっさとサンプル見せてセナに引き渡すが吉。仕方ないので、俺は役に入るスイッチを探す。ブライダル、結婚式。ドラマ、誓い、『Knights』。適当にキーワードになりそうなものを思い浮かべながら、白い背景の前に立つ。セナがカメラを持っていてくれるので、俺はそのカメラに優しくほほえむ。セナ、手を貸して。と言えばカメラを持ってんだけど。と怒られたのでマイムに替える。セナの手を取って膝をついて、そのまま手に唇を落とす。そこから目線をあげて、懐かしい光景を思い浮かべた。 「それは芝居だっての」 「芝居だって、切り取ればなんでも使い回し出きるんだよ。マイムだけど」 今回は誓うために指にしたけど、そのままマイムだけあればそのまま青春ドラマにも恋愛ドラマにも切り替えれるよ。そのままセナの首筋に手を伸ばしたら、もっと遠くからシャッター音がきこえた。転校生が勢いよく携帯に納めてる。俺とセナの二人で、転校生に説教をかまして、勿論携帯のデータもきちんと消させた。この間も似たようなことあったよね、反省してる?ほんとに?と俺とセナで追い詰めて、羽風がまあまあ。と言い出すので俺は、次やったらその携帯床に叩きつけるから覚悟するといいよ。と現代高校生に絶望を突きつけるのであった。 ←/back/→ ×
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