スカウト!薔薇の庭園で。と俺-2

まぁ、鳴上くんが占いを受けたのでその結果を教えてもらう。文哉ちゃん言葉を扱うんだから、こういうのやりやすいんじゃないの?なんて言うけれど、残念ながら占いは俺の専売特許じゃないんだなぁ。言葉遊びなら多少の心得は有るけれども。

「ふたりの騎士でしょう?文哉ちゃんも騎士じゃない?ねぇ。アタシを助けて!」
「…俺、騎士より犬で居たいけどね。セナや朔間くんたちは?」
「アタシを助けてくれると思う?」
「…ないんじゃないかな。」

ほらみなさい。そういいながら俺の腕をばしりと叩く。まぁ、男の人の代名詞でもあるんじゃない?うち男子校みたいなもんだし、どこ見ても騎士だよ。よかったね。

「それなら椚センセェがいいわァ、普段からかっこいいのに騎士の…」
「聞いてないか。」

俺と鳴上くんとで歩いてたら、後から声をかけられた。ネクタイの色を見ると2年が二人。どうも鳴上くんの動作が尿意と思い違っている様子である。

「あら、それよりも北斗ちゃん。アドニスちゃんと一緒なんて珍しいわねェ。ふたりでどこかにお出かけするのォ?」
「いや、乙狩とは教室を出たところであったんだ。そういえば、乙狩、鳴上の事を気にしていたな。」
「あぁ、近頃鳴上の元気がないようなので気になっている。俺の気のせいならいいんだ。だがもしそうでないのなら、相談してほしい。」

自分の身の振り方がん鞠話kらないので俺はそっと二歩ほどH慣れて廊下の壁に身を寄せる。なんだ、やっぱり友達居るじゃん。俺、別に必要なくない?そう思いながらも俺は周りを見ながら、ぼんやりとこれから先を予定を考える。さっき言っていた言葉を色々捻ってみると、あんまりいいものが思い浮かばない。しっくりこないというか、言わkんがあるというかうまく嵌らないというべきなのか。首を傾げていると、先ほどの占いについて話をしているようだ。セナがどうこうっていうのが聞こえたけれども、まぁ鳴上くんの交友なので俺はとやかく言うつもりはない。けなされたというよりも、内容のおさらいのようなものにも聞こえたので。

「北斗ちゃんの言う通り、文哉ちゃんに助けてもらってるけれど。慣れないことばっかりで気苦労やら疲れがたまっちゃっててね。気分転換したいのよォ。文哉ちゃんも一緒に気分転換しましょ。」
「…俺は別に。気苦労も疲れもないけれど。」
「無自覚さんなんだから、ほらつべこべ言わない。リーダー権限!」
「…はい。リーダー。」

そういわれたら反旗を翻すわけにもいかない。そしてそのために、占いしに行ったみたいだな。なんて判断をとる。

「つまり、鳴上は気分転換できればいいんだな。それなら俺がしている気分転換方法を試してみるといい。きっと良い気分転換になるはずだ。気分を変えるためには、よく動き、よく食べて、よく眠ればい。」

身体を動かせば、良くお腹は空いてご飯がおいしいし、疲れたから眠れる。健康的で文化的な生活だというけれども、俺からしちゃあ全く逆なんだけれども。動かしてたら文字は練れないし、疲れたからって基本的な文章を読まなければ落ち着かないので睡眠時間でさえも削ってしまうのだから。

「運動すると汗臭くなるから遠慮したいんだけど。折角アドニスちゃんがアタシのために提案してくれたんだし、まずは身体を動かしましょうか。」
「筋を痛めるので、走る前にストレッチをしろ。ストレッチが終われば軽くアップをして、グラウンドを10周でもすればいい運動になるだろう」
「げぇ…」

基本ベース運動嫌いの文系なので、勘弁してほしい。それなら未だに受けたことない漢字検定やらの勉強してる方が気がまぎれるのだけれど。まぁ、陸上部の鳴上くんなのだから、そういうのには向いてないのだろう。

「10周って。陸上部のアタシたちならそれほどきつくないけど、北斗ちゃんや文哉ちゃんにはきついんじゃないかしらァ?」
「遠慮したいけど、だめ?」
「制服のまま本格的に走るのは避けたい。動きづらいだろうし、万が一転んでけがでもしたら困る。」

よし黒髪いけ。と心の中で応援したが、妥協案として校舎裏から外に出て走ろうと提案するがそっとガーデンテラスまで。だとか購買部だとか候補を少しずつ出すので、ガーデンテラスが決まりそうな流れになった。ガーデンテラスまで!と鳴上くんの声によってスタートが切られたわけなんだけれども、年上が負けれるはずないじゃん。負けたくないから俺は校内の障害物を全部すっ飛ばす勢いで走る。無差別フリーランニングパルクールも真っ青。ありがとうバラエティ番組。と年上のプライドを持って二階から飛び降りたり、年甲斐もなく意地を張って平然とした顔で目的地に到着する。最下位だけは避けたかったんです。はい。

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