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「さてと、聞いた話じゃジル君は私が初めてとる客らしいね」

 分かっていたことだった、彼がただおしゃべりしに来た訳ではないことは、だが改めてジルはこの男に抱かれるのだと思うと少し恐かった。

「うん。・・ユラお兄様が俺の初めてのお客さん」

 無性に気恥ずかしくてジルはカグラの眼を真っ直ぐ見ることができなかった。
 そんなジルを見てカグラはまだまだ子供だな、と思いながら「大丈夫。私はこれでもここの店の子達には評判がいいらしいからね」と優しく言いながらそっとジルの白い頬を撫でた。
 びくっと驚いたジルを他所にカグラはスポンっと柔らかい布団の上にジルを沈め、覆いかぶさった。

「恐がらなくていいんだよ。全部私に任せればいい」

 ジルの前髪を掻き上げたカグラはそっと額にキスをした。

「・・・でも、お客さんを楽しませる事が俺の仕事だ・・ユラお兄様に全て任せるなんて・・っん」

 ジルの言葉を遮るようにカグラは噛み付くようなキスをした。深く深く、舌に口内を犯されているような錯覚を覚えさすほどカグラのキスは上手かった。

「・・っはぁ・・はぁ」

 すっかり息が上がったジルを他所に「初心者はただ犯られてろ・・・」と耳元で呟き、薄いレースだらけのベビードレスのような寝間着を手早く脱がせたカグラは真っ白な綺麗な身体にごくりと喉を震わせた。綺麗な少年を数多く見てきたカグラだったが、ジルは別格だった。カグラ自身も幼き頃は天使のように可愛い等と周りから持て囃されたものだが、本当に自分と同じ人間なのだろうかと思うほどジルは顔だけでなく全てが美し過ぎたのであった。
 あの店主が初者を自分に寄越すなどいったいどうしたのかと思っていたカグラは今こうしてそれを理解したのだった。
 この綺麗な存在を汚せる優越感と罪悪感。何とも自分にもってこいな役周りだとカグラは内心苦笑した。
 少し触れただけでびくつくジルだったが、けして否という言葉は口にしなかった。自分は買われた身なのだと、店主に言われた言葉を半数するように愛撫に堪えた。
 ピンク色の乳首を赤く染めるほど指や舌で弄られて、ジルのそれは熱く熱をもち出していた。まさか乳首を触られたくらいで反応してしまうとは思っていなかったジルは目尻に涙を溜めながら絶句していた。そんなジルに気付いたカグラは手を休め、そっと涙を拭ってやった。

「気にすることはないさ。寧ろ男娼としては誉められることだ」

 ジルの髪の感触を楽しむように撫でながらそうカグラは言ってやった。

「・・ひっく・・すみません・・」

 謝るジルを見てカグラはふふふっと笑みを浮かべるのだった。



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