第4話
樹のフォルスの暴走――
工場の前に来た瞬間に分かった
私は今
幼馴染みを探して旅をしている。ここが最後の街。
ペトナジャンカ
他のすべての街は全て回った
けれど見つからなかった…
ペトナジャンカに来て2日目
フォルスの暴走が起きた
私は宿でぐっすり寝ていて寝坊したため何があったか全く分からない。
しかし
私が止めなくては――
そう思い工場へ飛び込んだ
何とか工場の奥まで辿り着いた。
暴走しているのは
全身緑の男の人だ
「姉貴ーーーぃぃぃぃ!!!!」
ずっとこればかり言っている。暴走の原因はどうやらこの人のお姉さんらしい
クナイを両手に持ち
戦闘の体勢にはいった
『♪〜♪〜〜』
私の攻撃が彼に当たった
それにより私の存在に気付きこちらに攻撃をしようとしている
まずい…。
私はあまり前衛には向いていない。ましてや、こんなバリバリ前衛の人相手に詠唱も困難だ。かなりまずい。
こちらに彼が向かってきた
なんとか攻撃される範囲からは逃げたが
この状態が続いたら確実にやられてしまう。
一か八か
術攻撃をすることにした
『♪〜〜〜♪〜
ホーリーランスっっ!!』
「ぐっ…姉貴ぃぃぃぃ!」
まだだめか!
もう一度詠唱を始めた
そのとき、彼がものすごいスピードでこちらに近づいてきて、私は対応しきれず思い切り腹に攻撃を食らってしまった
『うぐっ…!?』
その衝撃で体がとばされ
壁に背中を強く打った
『ぐはっ!…』
それと同時に私の口から何か出てきた
血だ…
そのまま口の端から下に向かって私の顔に赤い一筋の線ができた
「大丈夫かっ!?!?
……………ナマエ!?」
あれ…ユージーン隊長の声…?
遂に幻聴まで聞こえるようになっちゃったのかな…
「ナマエ!!!!!!!!」
聞き覚えのある元気な声…
マオ…?
顔を上げてみたら
赤い髪
大きな瞳が目に入った
「こんなところで一人で何やってるのさ!?!?
いつもキミは無茶しちゃうんだから!!…」
マオは今にも泣きそうだった
『…ごめん…ね…うっ!』
話すだけでお腹に激痛が走った
「話さないで!悪化しちゃうよ!アニー!ナマエの傷を見てあげて!!早くっ!!」
「こいつは俺とユージーンで何とかする!!アニーとマオはナマエを!!」
「わかりました!!マオ、ナマエさんを仰向けに」
「わかった!!」
みんな…ごめんなさい…
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