Valentine

“2月14日バレンタインデー”
名無しの家のカレンダーには、そう書き込みがある。バレンタインチョコをある男性にあげる為だ。
材料を入念に確認して。
「材料はあるし……よし!後は作るだけ」
レシピを広げ、レシピどうりチョコを作ってゆく。
「ふぅ〜出来た。ふふ、結構上手に出来たな。大吾さん喜ぶだろうな〜今から楽しみ」
ウキウキしながら、ハート型チョコを冷蔵庫に入れて、当日を待った。

バレンタインデー当日。
ハートのチョコを冷蔵庫から出して、準備していた、箱に入れ、綺麗にラッピングして、最後に紙袋に入れて整った名無しは。
「よし!OK!後は大吾さんに連絡して」
スマホを出して、電話帳から大吾の電話番号を出して発信ボタンを押す。
「はい。おはよう名無しどうした?」
「おはようございます大吾さん!今話しても大丈夫ですか?」
「あぁ。大丈夫だ」
「えっとですね……今日会えませんか?」
「今日?ちょっと待て………夜なら大丈夫だが、何かあったのか?」
「いえ……大吾さんに渡す物があるんです」
「渡す物?」
「はい」
ちょっとの間があり。何か感じ取ったのか
「そうか。楽しみに待ってるよ」
「はい。約束場所はミレニアムタワー屋上北西の水前でいいですか?」
「分かった。時間は後でメールする………悪い仕事だ」
「あっ!ごめんなさい。じゃあ夜に」
「夜にな」
電話を切って、名無しは今日着てゆく服をクローゼットから、大量に出した。

夜ミレニアムタワー屋上にて。
約束の時間前に到着した名無しは、ソワソワしていた。
小学校に好きな男の子に告白したくて、チョコを渡したがフラれて、それ以来チョコを渡した記憶がないのだ…とゆうか、それが原因で、チョコが渡せなくなった名無し。今回は告白もしようと考えている。大人になった自分は、もう”当たって砕けろ”なのだ。もしフラれても、落ち込まないで次の恋を探せばいい位の心の余裕もあるはずなに、やはり告白となれば、人間誰でもソワソワして、落ち着かない。右見ては左を見て、大吾を待った。

約束時間。
走って約束場所に来た大吾に手を振って
「悪い!遅れた」
「大丈夫です時間ピッタリです」
「よかった。今日何の日か聞いてきただろう?……バレンタインだな」
その台詞に、紙袋から綺麗にラッピングした箱を大吾の前出す。
「………大吾さん好きです!付き合って下さい!」
顔が真っ赤になって告白する。
大吾はほほえんで。
「あぁ……俺も好きだ名無し」
チョコを受け取った大吾。
告白の返事を聞いた名無し。
お互いに照れ笑いをした。

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