クリスマス

12月25日、今日はクリスマスだ。
机の引き出しから、綺麗にラッピングされたプレゼントを出す。前会った時
ネックレスを欲しそうに見ていた名無しの為に用意したのだ。鞄の中に入れて、大吾は本部を出る。

神室町は、すっかりクリスマスカラーに染まって、人々で溢れていた。
今日は、恋人の名無しと食事を兼ねてデートの約束をしていた。
待ち合わせ時間より、早く到着した大吾は、煙草を吸いながら、名無しを待つ。
程なくして、息を切らしながら来た名無し。
「はぁ……はぁ……ごめんなさい。待ちましたか?」
「いや。時間通りだ」
深呼吸して、息を整えた名無しは、ニコッと笑う。
「良かったです」
「予約してあるんだ。行こう」
名無しの手を繋ぎ、センチュリーが止めてある昭和通りまで歩き、車に乗って向かった。

あるホテルに到着した二人は、中に入り、エレベータに乗る。
エレベータが、最上階に到着すると、
夜景を全面見渡せて、生演奏が流れる雰囲気があるレストランに、無意識に背筋が伸びる。
「いらっしゃいませ」
「予約した堂島だ」
「お待ちしておりました堂島様。こちらにどうぞ」
ウェイターに案内されて、席に座ると
直ぐに飲み物が用意され、グラスを小さく鳴らして乾杯する。
「「乾杯」」
程なくして運ばれてきた料理も、美味しく、ディナー時間は、あっという間に過ぎていった。

ホテルを出て、レインボーブリッジが見える場所に移動する。
「綺麗ですね」
「そうだな」
そう答えた大吾は、鞄から綺麗にラッピングされたプレゼントを、名無しに渡す。
「クリスマスプレゼントだ」
「ありがとうございます…開けていいですか?」
「あぁ」
リボンをほどき、開けてみると。
「あっ!これ……」
大吾は近寄り、名無しからネックレスを取り、首に着ける。お礼を言おうと、そっと顔を上げると、フッと笑う大吾に見つめられていた。
みるみるうちに顔が、赤く染まっていく姿に。
「…………」
大吾は、ゆっくりと名無しの顔を近づけて、唇を重ねた。

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