昔大好きな人がいたが、浮気されて喧嘩して別れた。
また次の恋も同じ、また浮気されて喧嘩して別れた。
もう男なんていらないと思って、恋なんて忘れていたが、最近バイト先のBARにくる男性のお客とはよく会話をするのだ。
無言もあるが、来て下さる度に何故か嬉しいのだ。
「そりゃ〜恋でしょ」
「えっ!そ、そうかな……」
「絶対そうだって」
気になってるは分かるが、恋なんだろうか。
会話してるだけで?。
お酒を飲む姿は格好いい。
何でも格好いい。
でも、自分は酷い恋をしてきた。
浮気を2回も経験した。
また恋をしても、また同じ事が起こるだろう。
でも……。
本当に嬉しいのだ。
堂島大吾さんが来る度に。
「名無しさん?」
「は、はい!」
「どうしましたか?」
「な、何でもないです」
本当に恋してるかも。
【
恋の仕方】
「(ヘクション!!)……あ〜辛〜」
花粉の時季、大吾も花粉症になっていた。目も鼻も辛いし、くしゃみを連発すると頭も痛い。でも目の前の大量の書類を終わらせなくてはならない。
鼻をかもうとティッシュに手を伸ばした時、コンコンとノック音。
「入れ」
「失礼します会長」
秘書の名無しだった。
名無しの前ではクールに見せたい大吾は、鼻をかむのを我慢するが、目もかゆくなる。
早く、早く話してくれ名無し〜と、頭の中で言って、顔はクールになっている。
「以上になります。失礼します」
名無しが部屋を出ると急いで、ティッシュで鼻をかんで、目薬をつける。
花粉の時季はこんな感じなのだ。
花粉よ!早く過ぎてくれ〜と思う大吾でした。
【
花粉症なのにクールに見せたい大吾】
天気がいいある日、暖かい外を歩きたいと、名無しが提案した。
「いいな」
久しぶりに休みの大吾は、名無しの家に泊まりに来ていた。
広げていた新聞をたたんで、外に出る準備を始める。
一方名無しは、朝ごはんの為に炊いていたご飯の残り物で、ちょっとした弁当を作り始める。
私服に着替えた大吾が、名無しに声をかける。
「行けるが、名無しはどうだ?」
「まだちょっと待ってもらってもいいですか?」
「あぁ」
大吾は、テーブルに置いてあった煙草とライターを持ってベランダに行き、煙草のにおいが、名無しの家に入らないないよう端で火をつけて吸った。
外は暖かく、少しの風が気持ちいい。
絶好の散歩日和だなと考えながら、大吾は、名無しを待った。
「大吾さん。お待たせしました」
「分かった」
大吾は煙草を消して、ベランダの鍵を閉めた。
名無しは、火元を確認してたら、二人は靴を履いて、家を出た。
名無しの家の近くに土手があり、そこを散歩することにした。
桜の木を見ると、何個か蕾が膨らんできていて、あと少ししたら咲くのではないかとゆう会話をしながら、
目的地の土手についた。
「あ〜今日は本当に天気が最高ですね」
「本当だな。ゆっくりと歩くか」
「はい」
大吾は、名無しの手をとってゆっくりと歩き始めた。
緑と桜と風の中を歩くと気持ちよく、仕事のストレスも吹っ飛んでゆくなと、大吾は心の中で思った。
時計を見ると、お昼だった為、噴水の近くのベンチに座り、名無しが作った弁当を食べた。
「外で食べると違うな」
「そうですね」
会話をしたり、まったりしたりして、1日名無しと外でゆっくりした。
「今日は楽しかったですね」
「あぁ。また外で散歩しよう」
「そうですね。今度は桜が満開になってるかも」
「そうだな」
お互い手をつなぎ名無しの家と帰るのでした。
【
手つなぎ散歩】
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