猫恋物語2

目を開くと、ご主人様はまだ眠っていた。
カーテンの隙間から日が漏れているから、朝なんだと認識できた。
ご主人様を起こさずに、ベットから窓に移動して、
昨日たけ君から教えてもらった事を思いだす。
たしか、苦しそうな声を出せば、心配して仕事場に連れていくって作戦だったな。
ご主人様が寝てる間、苦しそうな声をうっすら練習をして、これでよしと自分で納得して、ご主人様のベットに戻ると、ご主人様の目が開いたの。

「おはよう名無し。早いんだな」

「(おはようご主人様!)」

いつものように頭を撫でられる。
嬉しいから、ついスリスリ沢山しちゃった。


そろそろいいかな?
ご主人様もそろそろ仕事に行く時間かも。
よーし!実行。

「にゃ……ん」

「ん?名無し?どうした?」

「にゃ……」

いつもの声じゃない声を出すと、心配してくれて。

「調子悪いのか?まずいな……取り敢えずゲージ持ってくるからな」

本当に仕事場に行くことになった。
たけ君ありがとう。
仕事に行く時間になり、ゲージに優しくいれられ、
仕事場に着くまで、おとなしくしてることにした。


ガチャした音がして、ゲージの入り口が開き。

「ここだったら出でもいいけど、外に出るなよ」

「にゃん」

はーい!分かりました〜。
返事をして、取り敢えずゲージの外に出てみたの。
知らない部屋にいたから、ここがご主人様の仕事場だと分かった。
ご主人様は、座って何を始めている。
邪魔にならないよう、ソファーに座って、ご主人様を見つめる。
真剣の顔は、見たことがないな……。
大量の何かが、ご主人様の目の前に置いてあった。
これが、休めない理由でもあるのかな……よくわからないけどね。


ふわぁ〜。
あれ?ここどこ?
回りを見渡して、さっきは建物の中だったはずが、何故か外にいた。
大きな入り口が、目の前にあったから入ろうとすると。

「なんだ!この猫!」

人間が向かってきたから、とっさに逃げる。

「(ご主人様を探したいの)」

「あっちいけ」

困った。
なんで、外にいるか分からないけど、この建物の中に入り、ご主人様を探したい。
回りを見渡して、入れる所を探す。
取り敢えず塀にのぼって、屋根にのぼる。
あの中にご主人様がいるはず。
どうやってあの中に入れるのかなと、考えていると、ご主人様の姿を見つけたが、車に乗ってしまった。

「(ご主人様!)」

急いで屋根と塀を降りたが、車の方が早く、行ってしまったのだ。

「(待って!ご主人様!)」

車の後を追っていった。




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