現代シンデレラ@

神室町に、美しく心の優しい娘名無しがいました。
名無しの大好きだった母親が亡くなってから、父親と二人で頑張ってました。
そんな父親が新しい母親となる人と結婚すると聞いて、名無しは喜びましたが、2番目の母親はとても意地悪で、さらにその連れ子である二人の義理のお姉さんからもその美しさを妬まれ、掃除、洗濯、食事の支度などすべて名無しにやらせていました。
しかも、事故で父親も亡くなってしまい、名無しが、一人ぼっちになったのをいいことに、今までの倍働かせました。


そんなある時。
義理の姉の彼氏が属してるヤクザの組織で紅葉会と称した飲み会があり、母親と二人の姉が参加で、楽しみなのか朝からバタバタしていた。

「名無し!靴の拭いといてよ!」

「はい」

「アイロンしておいてよ!」

「はい」

「服どこよ!!」

義理の姉と母親の命令を聞きながら、家の家事を全部こなして、夕方、車で開催場所まで送って、いつもの事だが、三人が帰るまでその場所に待つ名無し。

販売機で珈琲を買い、暫しの休憩をしながら紅葉を楽しんでいると、何かに靴が引っ掛かって転びそうになる。

「(あっ!)」

転ぶと思いきや、スッと誰が来て、誰かの腕の中に収まった。

「大丈夫ですか?」

「!!……す、すみません!」

急いで、体を放す。

「転ばないで良かったです」

オールバックの髪、黒いスーツ、背の高い男性、名無しは、ついジッと見てしまう。

「?どうしましたか?」

「いえ!!あ、ありがとうございます」

お礼を言って、名無しは急いで車に戻る。男性が何か言ったのも知らずに。




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