キス

東城会六代目堂島大吾と出会ったのは、今から1年前。男達に絡まれて助けてもらったのがきっかけだった。会う度に好きになってゆく自分は 、色々と努力したっけ。

告白は、大吾さんからだった。
好きだと言葉を言ってくれた時嬉しかった。
私の思いが届いたから。

「名無し?」

「はっ!何?大吾さん」

今大吾さんの家にいる。
久しぶりの休みだが雨なのだ。
でも忙しい大吾さんの為、家で過ごすって決めていたのは理由がある。
1つ目は、美味しい料理を作ってあげる。
2つ目は、二人で映画見て マッタリする。
それが、今日の計画なのだ。

「こっちに座れよ 。映画始まる」

「うん」

立派な台所で、コーヒと甘党の大吾さんの為に角砂糖の瓶も用意して、ソファに持っていき隣に座る。

「名無しが持ってきた映画って、話題になったやつだろう?」

「よく知ってたね?」

「テレビでよく宣伝してたからな」

私が好きな女優さんが出てる映画で、話題にもなっていた恋愛映画なのだ。 
友達がいい映画だよ言っていたのを、 まだ見てなかったからTSUTAYAに行って借りてきたのだ。 
大吾さんが、再生ボタンを押すと、映画が始まった。



ラスト
色々と困難が報われてハッピーエンドだったから、
ハンカチ押さえて涙と鼻水を拭いて見ていた。 
エンドロールが流れて。

「うぅ……。良かった〜」

そう言うと、大吾さんの顔が近い距離に来てティッシュで涙を拭いてくれたから、カァ〜と顔が赤くなる。
これだから、友達からウブだねって言われるのだ。
積極的になりたいといつも思うが 、キスも出来てないお子様なのだ……でも。

「……名無し」

「えっ?」

一瞬何が起こっているが分からなかった
大吾さんの柔らかい唇が私の唇と重なっているから。キスってこんなにも気持ちいいものだって初めて知った。

「……ゴメン。あまりにも可愛かったから」

いつもの声より甘く耳元で囁くと、真っ赤になる私に2回目のキス。
まるで映画のラストシーンのように。




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