初心者の余裕 [ 3 / 12 ]
「また、由実さんと呑みたい」
最悪の密会から一週間後、慎が連絡を寄越してきた。真面目なメールに拍子抜け。
こういう浮気?不倫?って私はもっと、旦那に隠れてドキドキしてスリルを味わって。
久々友人と会ったら、綺麗になったんじゃない?とか、ドキッとすること言われたりなんかして。
恋始めました。みたいな初々しい…望みを高く持ちすぎて撃沈。
…返信すらできなかった。
だけど…あの夜の慎が、ふとした時に見せたオスの目を何故か時折思い出し、
“旦那”に抱かれていてもその目に支配され、
渇ききってた自分の身体がその男を想うだけで潤いに満ちる…
“安心”に喜びを与える。
出口のない迷路でグルグルと道に迷うだけ。
キッカケなんてあっという間。
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