キメゴト

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相名前…

きっと名を呼べば、腕を伸ばし温かく包み込んでくれる。

音だけを響かす一人きりの蒸気の中で、

揃えられてる洗い流す物たちに目もくれず数分前の残り香のまま時間を見計らう。

ろくに顔も見ず、後の続く言葉を聞かない為にもいつもの言葉で部屋を後にする


だけど相名前の中で繋がっていられる時間だけは、

相名前の全てを自分のものにしたい。

一瞬、一瞬を見逃してしまわないように

相名前だけを見て感じて

相名前が私を見て感じる

瞬間を刻みつけたい。

本当はどんどん膨らむ今さら、言ってはならない想いを


呼んで、流して、又明日…今さら、告げたら?


何で今さら、?

目を閉じ考えても、そんな冷めた相名前は何処にもいない、けど。

────────面倒はごめん。

背を向け冷たく言い放つ相名前を自分に植えつけた。

そして、それすら出来なくなった私に残された道はただひとつ


ごめん、貴方に飽きた。

自分だけの気持ちを押し付け恋愛から逃げ出した私は

その夜初めて深い眠りにつけた気がした。





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