狂愛彼氏
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ねぇ、なまえ
僕が気付かないとでも?
どうしようっかなぁ
一度だけ許して欲しい?
─そんな事を思う僕は意地悪を通り越して悪魔かも知れないね。
相手次第ってとこかな…。
「また、来てる…」
幾度そう言葉にしたくてのみ込んで来ただろう…
なまえは僕の彼女、結婚も考えている。
誰にでも平等な笑顔、小悪魔並の無防備、若干スキンシップ多め、
男ばかりの控え室に僕を尋ねるフリしてやってくる。
そんななまえを仲間同士で隙はないかと、動向を探り視線が縺れ合う事にも。
…特に、新くん、
ほらほらまた、だ。
からかってるだけだよ、私が一番好きなのは相なまえだから…
聞き飽きた。
なまえにとってきっと本音だろうけどだけどね?
僕にはなまえの心の奥が見えるんだ、正確に言うとなまえは分かりやすいの。
…苛つくぐらいに。
─なまえは他の男にどんな顔になるの?
─なまえは他の男にどんな淫香(カオリ)を放つの?
最近やっと少しずつ自分をさらけ出す様にはなってきたよね?
だけどきっとまだ僕も知らないなまえがいて
厭らしい所にある小さなホクロ、溢れ滴り感じる場所、…
─なまえは 僕 以外の男にどんな風に鳴くの?
あぁあ、やな言葉がちらついて来るよ僕が悦ぶと勘違いするそこら辺に落ちてるゴロゴロした虚言が、
だから
証明して?
納得させて?
一度でいいよ?
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