無口も鈍感もほどほどに

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『!……相名字君』


(今のもしかして、き、聞かれた?!)


つくづく思う。どうも私はタイミングとやらに見放されているようだ。


確かめたい事があっても、ウジウジしてるのは私らしくなくても。

信じたい。その思いがどんなに強くても……


“ねぇなまえたちって本当に付き合ってるの?”
“付き合ってるよ!”


自信を持って堂々と胸を張れる自信がない。


「そーかよ」

『え?』


俯く私の頭上にやけに冷めた言葉が落ちる。思い切って顔を上げたらほんの数秒、見つめ合った目は悲しさを纏っていて・・・

『だって…』

だって、の後に続く言葉はきっと聞くに取らない情けない言い訳でしかない。だから相名字にも届くことはない。



それから丸二日、相名字とは挨拶すら交わさなくなっていた。そのまま自然消滅もありえる、今までと変わらない日が続きそんな中、新からの視線は多く感じるようになっていた。


あの場所に居合わせたから気になるのだろう、それぐらいにしか思っていなかった。


今日は週に一度の全校集会の日。


親友の美香とは別に体育館に向かっていた。

ねえ、と呼び止められ立ち止まるとどこかで見かけたことがある先輩だという事。


「あなたがみょうじなまえさん、よね?」





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