who are you?-2

「…ところでお前、名前は?」
細い路地を歩きながらウェンディルは横目で少女を見た
「えっ…えと…ニコラです」
「ニコラ、か…俺はウェンディルだ。事情も説明せず連れ回してわりぃな」
「いえ…そんなことは…」
ニコラは困ったように俯き呟いた
「…急ぐぞ」


「あの…本当にここ、ですか…?」
着いた場所は路地の先にある少し古い一軒家。周りの家とは少し雰囲気が違う
「おう、ここだ。入るぞ」
そう声をかけ、ウェンディルはドアを開けた
「おーい…いねぇのか…?」
「あの…いいんですか…?勝手に入って…」
「あー…構わねえよ。いつもの事だし」
ニコラの心配をよそにずかずかと上がり込む
「とりあえずテキトーに座っとけ。アイツが来たら全部話すから―」
「あら、勝手にレディの経に入ってそれはないんじゃないの?」
背後から聞こえた声にニコラは驚き振り返った。そこには長い黒髪から雫を垂らし、首からタオルを掛けた女性の姿が。
ウェンディルの方へ歩いて行き後ろから声を掛けた
「それに…勝手に冷蔵庫を覗くだなんて、イケナイ子ね」
「うっせーな…来てんの分かってただろ…つかなんでミルクティー置いてねぇんだよ」
ウェンディルは振り替えることなく興味なさげに話した
「まぁ、ね。それと甘いミルクティーだなんてお子様の飲み物は無くてよ?」
くす、と妖艶な笑みを浮かべからかうように話した
「おーおー…お子様で悪かったな」
「あら、本気にした?嘘よ、嘘。それより何か用があって来たんじゃないの?」
「あー…アイツの事だ」
ウェンディルはニコラの方を指差した。眼鏡の奥からじ、と紫の瞳がニコラを見つめる
「あの子…まさか…」
「デュアナ…何かわかんのか?」
「アナタ、年下が好きなら言ってくれればいいじゃないの、もう…」
「……は?」
デュアナ思いもよらぬ返答にウェンディルは眉間に皺を寄せる
「そういう事を聞いてんじゃねえぞ…?分かってんだろテメェ…」
「あら、相変わらずノリが悪いのね…そんなんだと嫌われるわよ?」
「うっせ…」
「あ…あの……」
「なんだ?」「どうかしたかしら?」
恐る恐る声を掛けたニコラに二人同時に振り向く
「あの…ふ…服を……」
「服?」
デュアナが腰に手を当て首を傾げる
「ふっ…服を…着てください…っ」
ニコラが顔を真っ赤にし、ぎゅっと目を瞑った
デュアナの格好は下着のみだった…



「あぁ…そういやお前着てなかったな」
「あら、今さら気が付いたの?」
「いつもそんなんだしな…もう驚かねぇよ」
「そうなの?残念だわ…最初の頃のアナタあんな可愛かったのに…」
「いつの話だそれ、忘れろ」


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