今更バレンタインその2。
後ちょっと郷ミカ
ブルーキャッツで渡された小さな柄入りの袋。一つ一つ上で結ばれているリボンの色が違った。
「アミ!今年もありがとう!」
バンが満面の笑みで早速封を開けて食べ始めた。
カズもありがとうと言って直ぐにバンの横で食べ始めた。
ジンはバレンタインなど知らないようで受け取ればキョトンとした顔でこれは何だ?とアミに聞いてきた。
バレンタイン知らねーのか?とカズに言われ説明されれば来月のお返しは何が良いかとアミに言っている。
「郷田と仙道もね」
カウンター席に座っていた二人に声を掛けるとゆっくり振り向いて目の前に出された物を受け取る。
「アミが作ったのか?」
「ええ」
「へーすごいな」
「……喰えるのか?」
「失礼じゃない?」
仙道がポツリと漏らした言葉にむっとして要らないのね?と仙道から奪おうとすると、アミとは反対の方向に持っていき手を届かせない距離にする。
「要らないとは言っていないじゃないか。」
「なら文句言わないでちょうだい」
くるりとアミは二人から背を向けてバン達が座っているソファー席に行き腰を掛けた。
「何時もはリコがくれるだけだったから驚いたな」
「あの金髪の小さい奴か…あともう一人居るじゃないか」
「ん?…あ、そう言えばミカに貰ったな。」
やっぱりね。とため息を付けばアミが思い出したようにバックからミカからだからみんなつまんでね。と少し大きい箱を取り出した。
「あ、ちなみに郷田は駄目。」
「?」
「本命が義理食べちゃ駄目でしょう?」
そう言われれば、まぁもう貰ってるしそれもそうだな。と呟いた。
「俺は食べる気分じゃないからパス」
仙道が手をひらひらと泳がして一年達に食べて良いと合図すれば、本当?!とバンとカズがミカからのチョコレートにも手を付ける。
相変わらずジンはお返しの話をしていた。
二月の空は凄く寒くて扉を開ければひやりとした空気に晒される。
全員帰った後で最後に仙道が出てきた。
「…川村アミ?」
扉を開けて直ぐの柱に立っていたようで、仙道が出てくるのに時間差がありアミの頬は寒さからかすっかり赤く染まっていた。
「仙道」
「あ?」
「さっきの奴出して」
さっきの奴?声に出して、少し考えてポケットからアミに貰ったリボンがされた柄入りの袋を取り出した。
「これ?返すつもりはないよ」
「じゃあこっちのと取り替えて」
すっと鞄からこれまた小さな箱が出てきた。
「これは?」
「みんな居る前で違うもの渡せないでしょ」
ああ、だからみんなと同じ奴を渡されたのか。と納得をした。
「じゃあそれも貰っておく」
「え?」
アミの手に持っていた箱をひょいと奪った。
「どうも」
ニヤリと笑い仙道がアミの頭を撫でればアミは寒さとは別の赤で頬が染まった。
「勝手にすれば良いじゃない。」
バレンタイン。
何時もよりは普通め。
追記からほぼ会話文のおまけ。
こっちは何時もどおりの感じ。
追記
2012/02/17
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