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*ジャンルCP雑多でなんでもあり


(臨帝)

「馬鹿じゃないですか」
こんな大怪我して、剥き出しの二の腕に滲む痛々しい赤。そこに気休めのようにふーふーと息を吹き掛けていた彼は僕の方を見てにこりと笑った。
「帝人君が撫でてくれたらすぐ治るかもね」
「嫌ですよ」
馬鹿じゃないですか、もう一度繰り返す。けどきっと本当に馬鹿なのは、言われるがまま、彼の腕を両手で包む僕の方なんだ。
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嫌々ながらも、腕を両手で包む




(マキナ×エース/FF零式)

しまった。慌てて体を離したがもう遅い。案の定エースはぽかんと、彼にしては珍しい間抜け顔をしていたが、それに構えるほどマキナも余裕はなかった。
「あ、いや、その、」
そこではたと気づく。体は離したが、エースの右手を掴んだままだ。腕を離すタイミングも見失って焦るマキナだったが、ちらりと見たエースの顔がじわじわと赤くなっていく様を目撃してしまい、一気に顔が熱くなった。
唇の感触が、消えない。




(ナインとエース/FF零式)

触らせてくれ、と言われた。突拍子な言葉に反射で頷いてしまったナインだが、エースは心なしか、嬉しそうである。伸ばされた白い掌が、彼よりも上背であるナインの髪を撫でた。さらさらと、毛並みを確かめるように手が頭を往復する。
「ずっと気になってた」
小さな子供のようにあどけない笑みを浮かべるエースに、ナインはどきりとするのだが、次の言葉になんともやる瀬ない気分になった。
「ナインの頭、チョコボみたいだなって」




(イザナとエース/FF零式)

「こいつらも、忘れるのかね」
チョコボを眺めながら、イザナはまるで独り言のように呟く。どうだろう、エースは曖昧に返事をした。
「俺は忘れたくないなあ。こいつらのこと」
「それは、僕もだ」
「……何で、忘れちまうんだろ」
過去に捕われないため、残された者が悲しまないため。それは分かる。けど。
「俺はこいつらのことも、エースのことも、忘れたくない」
僕もだ。返したタイミングで、まるで頷くようにチョコボが鳴いた。




(静吉/吸血鬼パロ)

血を吸われる感覚にはもう慣れた。最初抱いていた恐怖心も今はない。あるのは、苦しさとか痛さとか。
胸が、苦しい。
「三好、こっちこい」
この人がこんなにも優しい声で自分を呼ぶのは、こんなにも優しい手つきで抱きしめてくれるのは、全部全部。
(僕が、餌だから、)
苦しい、痛い。この人から自分が"食料"以上に見られていないことが、どうしようもなく辛かった。






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