「貸せ」
「もう少し布の多い服着ろ」
「帰り迎えに行くから連絡しろ」
サスケは過保護だ。
私が大量の荷物が入った段ボールを運んでいたら持ってくれるし、女子同士で遊びに行くときも膝上スカートは注意が入る。そして帰る時は迎え付きだ。
私も小さな子どもではないので大丈夫なのだが、以前それを言ったら「もう少し危機感持ったらな」と、サスケに半ば呆れられながら怒られた。
「それちょっとサスケくん過保護すぎないー?」
ある日の女子会でいのが言った。サクラも眉間に皺を寄せながら頷く。
「どうなんだろ…でも、私のこと心配してくれてるんだろうし」
「そうね…もう少し様子見たら?悪化するようならまた考えればいいし」
「おーい!サークラちゃーん!」
「ゲッ、ナルト…!」
声のする先を見ると、そこには大手を振って駆け寄ってくるナルト。その少し後ろにはキバやシカマル、サスケなどの同期男子勢に加え、ネジさんとリーさんもいた。
「何よー、アンタたち、勢ぞろいじゃない」
私の隣に座っていたテンテンさんが言った。
「オレはリーの修行に付き合ってたんだがな…ちょうど切り上げようとしてたところでナルトたちと会って、飯に行く話になったんだ」
ここに辿り着くまで相当振り回されたのだろう。ネジさんがやや疲れ気味でこちらに寄ってきた。テンテンさんも苦笑いで「大変だったわね、お疲れ」と労わる。
「なまえは久々だな、元気か?」
「はい、おかげさまで…!」
「はは、それは良かった」
そう言って笑ったネジさんはポンポンと私の頭を数度撫で、「じゃあまた」と言い残しナルトたちの元へと戻っていった。
その時私はまだ気付いていなかった。突き刺さるようなその視線に。