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梶木の鼓動と体温が、媚薬のように全身を甘く痺れさせる。
カリ首の辺りを集中的に責められ、きっとコイツはここが感じるんだ、とか、いつも自分でする時はこの辺を擦ってイクんだろうな、とか、そんなことをついつい想像してしまって。
大きな手の中で梶木の太いモノと擦り合わされて震えるペニスは、硬く張り詰めて、卑猥な雄臭を放っていた。
「はっ、あッ、……あぁっ」
「喋らねえで喘いでたら、結構可愛いのにな」
「んんッ!」
「あー……やべえ、イクかも」
駄目だ。流されたくないのに。
こんな風に甘えた声を零して逞しい背中にしがみついている俺は、俺じゃないのに。
広げた足の間に屈強な身体を受け入れたこの体勢は完全にネコ役で不本意極まりないにもかかわらず、梶木が感じてイク瞬間の顔を見たくて、抵抗も出来ずに呑まれてしまう。
「梶、木……ッ、あ、ぁ!」
「くっそ……エロ過ぎ」
屹立を押し付ける腰の動きが速まって、俺を見下ろす男の顎から汗が滴り落ちる。
そろそろ最後の瞬間が近いと踏んで精悍な顔を見上げると、密着したモノが大きく脈打つと同時に、形のいい唇が間近に迫ってきて俺の口を塞いでしまった。
「ん、ふッ!」
今日何度目かの、梶木の味。
こんなに至近距離では顔が見えない。
抗議するつもりで背中を軽く叩いた手は、硬い筋肉に指を突き立てて、そのまま動かなくなった。
「……っ、んんッ……!」
「っ!」
握られたモノがブルッと震えて膨張する。
ヤバい、と思う間もなく、狭い管内を熱液が一気に駆け上がってくる感覚。
「あっ、……ああぁッ!」
悔しいことに。
持久力には自信があったはずの俺のモノは、上手くもないキスとぎこちない手コキに追い上げられて、駄目押しに鈴口をひと擦りされただけで限界点を超え、溜まっていた熱を勢いよく解き放ってしまったのだった。
「は……あ、ぁッ」
「……うッ!」
僅かに遅れて、雄の色気を含んだ低い呻きと共に、腹の上に大量の白濁液がぶちまけられる。
赤黒いソレの先端からトロッと糸を引いて落ちていく液体の生々しさに、喉が鳴った。
――梶木の手で、イカされた。
俺が梶木を味見したのか、つまみ食いされてしまったのかよく分からない微妙な状態。
テクニックはともかく、ノンケとは思えない思い切りの良さを見せて射精を果たした同期は、満足そうに息を吐いて放ったばかりのモノから一滴残らず精液を搾り出すように竿を根本から扱き上げた。
「……はーっ、すっげえ出た」
「重い」
脱力してのしかかってくる重みは、決して嫌なものではない。
まだ息が整わないまま無言で重ね合わせた身体は、気持ち良い熱を持っていて、背中に回した手をずっと離したくなかった。
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■TEA ROOM■