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乾いた指先が直に肌に触れて、胸から脇腹へとゆっくり滑り降りていく。
「酔い過ぎだ、馬鹿。シラフになったら絶対後悔するぞ」
「酔ってねえ」
酔ってもいないのにパンツ一枚で男にキスして、更にそれ以上の事をする気なのか、お前は。
「っ!」
際どい位置まで降りてきて動きを止めた手は、一瞬躊躇った後、パジャマの下を下着ごと下ろして中のソレを握ってきた。
「うっわ……。顔に似合わずいいモン持ってんな」
「やめろ……梶木!」
「ここまできて止められるか。諦めて大人しくしろ」
他人のモノなんて、今まで触ったこともないくせに。こんなにぎこちない手つきで……この馬鹿は何をそんなにムキになっているんだ。
同じ男の生々しいモノを触ってさすがに我に返ったかと思いきや、ボクサーパンツから顔を覗かせている梶木のペニスは相変わらず勢いを保ったまま、むしろさっきより硬度を増して腹に着くのではないかと思うほど元気よく反り返っていた。
「は、ッあ!」
「可愛い声、出すなっての。ヤバくなるだろうが」
ゆるゆると熱い手の平で竿を扱き上げられて、半勃ち状態だったソレが梶木の手の中で熱く硬くなってきてしまう。
相手が同類なら隙を見て形勢を逆転させ、美味しくいただく事もできるのに。まさか会社の同僚で、しかもノンケの梶木の後ろを掘るワケにもいかず、思い切って反撃に出ることが出来ないのが辛い。
「お前……気持ち悪く、ないのかっ」
何でお前のソレはそんなに元気なんだ。
視線を股間に固定したまま、おかしな声が漏れそうになるのを押し殺して訊くと、見せ付けるように立派なモノを取り出した同期は二人分の竿を重ねて、擦りつけてきた。
「別に。一人で抜いても二人で抜いても同じだろ」
「全然違う!」
「他の男にこんな事をしようなんて思わねえけど、お前だったら……」
俺だったら、何なんだ。
裏筋が擦り合わされて、ダイレクトに伝わってくる梶木のペニスの感触に下半身がじわじわと熱くなり始めていた。
「その嫌味なくらい涼しい顔を目茶苦茶にしてやりたい」
「な……にをっ、んッ、ん!」
牙を立てるように首筋にキスを落とし、二本合わさった屹立を扱いて張り詰めた嚢を押し付けてくるその動きに、迷いはない。
「全部、忘れろよ」
吹き掛けられる熱い息と、低い声。
「梶木……!」
「他の奴のことなんて、俺が忘れさせてやる」
「や、め……っ、ああッ」
親指の腹で軽く撫でられた亀頭はいつの間にか裂け目から恥ずかしい蜜を溢れさせていて、二人分の粘液が混じり合った水音が、耳から入って全身へと快感を伝えていった。
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■TEA ROOM■