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「うぅぅ…」

ぽろぽろと零れ落ちて頬を濡らしていく涙。恥ずかしくて顔を見られたくなくて、後ろから身体を抱いていた課長の方にフルチンのまま向き直り、ぎゅうっと力いっぱいしがみつく。

「おい、酒井田…!」

課長が慌てたのが何となく分かったけど、我慢できなくて子供のように泣いてしまった。

「泣くなよー。別に恥ずかしい事じゃねぇだろ。男だったらチンポ勃ってイクくらい当然の反応だし。珍しくもねぇって」

酷い!俺はあんなに恥ずかしかったのに。
何でもない事みたいに先輩に言われたのが悔しくて、まだ呂律の回らない舌で一生懸命課長に訴えた。

「かちょー…、きしせんぱいが、ひどいんですっ」
「って俺かよ!課長だって一緒に触ってたのに」
「ち…ちんぽ触っちゃやだっていったのに、無理矢理揉んで!は、恥ずかしかったのに…っ」
「そうか。悪い奴だな、岸は」
「そりゃないですよ課長ー!」

よしよし、と背中を摩ってくれる課長の大きな手。
仕事の時は厳しいけど、課長はすごく優しくて頼りになるカッコイイ上司なんだ。
今日は意地悪だったけど、岸先輩だって本当はいつも俺を弟みたいに可愛がってくれる、大好きな先輩なんだ。

「…んー…」

何だか…射精後の疲労感と完全に回った酔いに誘われて眠りに落ちていきそうな…。

「あれ…かちょう…?」

ギリギリのところで眠りに落ちなかったのは、背中から自然に滑り降りてきた課長の手が、剥き出しのままだったお尻をむにむにと揉み始めたからだった。

「俺が優しく大人の男になるテクを教えてやるからな」

聞いているだけでメロメロになっちゃいそうな、低くて甘い囁き声。
…テクを教えてやるって…。
一瞬の間の後、驚きの色を含んだ岸先輩のハスキーボイスが聞こえてきた。

「まさか…最後までヤっちゃうんですか。課長、出来るんですか」
「アナルセックスの経験はある。さすがに男とは初めてだが、酒井田なら可愛がってやれそうだ」
「うわー。じゃ、俺勉強させてもらいます。よかったな酒井田!課長直々にテクを伝授してもらえて」
「…あなるせっくす…?」

聞き慣れない単語を何度か脳内で反芻して考える。
それって何だったっけ?
…まさか…お尻の穴を使ってヤっちゃう事…!?

「えっ…!?あっ、あぁッ」

思い至った時にはもう、岩瀬課長の指は、俺がさっき放ったモノのぬめりを借りて体内への侵入を開始していた。

「やぁぁ…ッ、かちょう、指、やです…!」
「大丈夫だ、酒井田。身体の力を抜け。楽にしていれば痛くないから」
「んん…やぁ…、抜いてくださ…いっ」

痛いとか痛くないとか以前に、さっき弄ばれた男の器官よりもずっと恥ずかしい場所に課長の指が入っている事自体が堪えられない。
しかもこの体勢…。剥き出しになったお尻に課長の指が突き刺さっているところが、岸先輩からまる見えだ!

「すげ…ホントに指、入ってる」
「せんぱい、見ちゃ…ダメ…っ」
「やばい。酒井田のケツ、エロ過ぎる…」
「やだぁ…」

興奮したような先輩の声と、ぬるぬるとソコを出入りする課長の指。

こんなに恥ずかしいのに…。
さっき一度射精して元気をなくしていた股間のモノは、むずむずと疼き、再び勢いを取り戻そうとしていた。





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