▼ 4.助けてよおかしくなりそう
わ、わ、みんな武器取り出してきたよ。一応私も拳を出してはみるけれど腰が引けてしまう、そして内股に。しかも、意外と相手の方が人数多いしこれはどう考えてもこれは…うん、負ける!
「でやぁぁ!」
なんだかソウジロウくんに装備というか雰囲気が似ている前髪が短い女の子が刀を振り上げてやって来た。いや、なんかおそろみたいなんですけど。その装備。ソウジロウ=新撰組=武士=ソウジロウ。
「なっ…も、もしや…」
サッサと避けながらもしやと考える。彼女と考えてもおかしくない。「ソウ君、ソウ君、装備おソロにしようよー」語尾にハートつけまくってるんだ。うわ、想定外だ。
「わっ、何こいつ!攻撃が当たらない!」
きっと私は顔を青くしている事だろう。そうだよねソウジロウくん、あーゆう可愛い年下の子とか好きそうだもんな。
「こっちは片付けました、大丈夫ですか?!」
「大丈夫、援護するよ!」
ナズナちゃんの声がする。
チラリと目をやれば私が色々自分の世界に行っている間に他二人がソウジロウくんに倒されてしまっていた。
「げ…」
その時、その男共の近くにいたソウジロウくんと目が合う。あ、あ…。睨んでる〜…じわぁっと涙腺が緩んで瞳に膜を張る。嫌われたくなかった、嫌われるなら死んだ方がマシだ
。ううう、ソウジロウくん…。
「うちをなめんな!余所見は厳禁だよ!」
とりあえず謝って許してくれるかは分からないけれど、謝らなきゃ…ボヤける瞳で憧れのソウジロウくんを見つめる。許してくれなくてもいーや、こうして生で見れたから。
「ごめ、ごめんなさい…」
「待って!イサミッ…」
ソウジロウくんの大きな声が頭の中に心地良く響いて私は意識を手放した。
「な…ナズナさん!」
「女の子を切るのはマズいでしょー」
イサミが刀で切る寸前に目の前のファラが視界から消えた。下を見れば伸びた彼女が寝ていて、その先にはフライパンを片手に持ったナズナが立ち尽くしていた。
「フライパンで殴るのもどうかと」
「いーのいーのお灸だから、そんでどーする?見たところ女は白っぽいけど(助け舟)」
「暫らくの間、うちで様子をみましょう」
(こりゃ今度酒奢って貰わなきゃな)
(ちょ!マジですか!師匠!)
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