▼ 3.目が合ったどころじゃない
あわわわ、心臓ばっくんばっくん。生ソウジロウくんだよね?あの装備、あの髪型どこからどう見てもソウジロウくんだ。可愛い可愛いどうしよう。
「ナズナ!後衛を頼みます!」
「…あー、はいよ」
なんだこの爆乳のお姉さんは!!…耳までついて萌えると思いきや…ナズナちゃんじゃないか?ああ、ああ…絶対気付いてる、あのわたしに向けられた白い目は確かにわたしだと気付いて「何やってんだこいつ」って言う目だー!!
「最近ここら辺でPKをしているのは貴方達ですね?」
最近?私達は一、二時間前に初めたばっかりだけど思っていれば何をどう威勢づいたのか後ろの男共がずいずいと前に出て来た。どうしよう、絶対なんか変な事を言い出しそうで
恐い。知らないって恐い。相手ほとんどLevel90ですよ。
「ふっふっふ、お前等良い防具身につけてんなぁ!!」
そりゃあ、高レベルだもの。
「かかってきな!負ける気がしねぇぜ!!」
やめて!やめたげて!
あんたらさっき何もしてないだろうが、目線が頼り切ってるんですけど。だって相手は…ソウジロウくんだよ!?
−チラリ。ひぇぇぇ、生のソウジロウ君に会えるとは思わなかった。会うつもりも毛頭なかったのに、できる事ならば遠くからこっそり見つめるつもりだったのに。す、凄い破壊力だ。鼻血でちゃいそう。
「そっちのお姉さんも仲間ですか?」
こっち見たー!!今、目合ったよね、絶対合った。もう死んでも良いよ!!
「わ、わた、私は…「勿論だ!!」」
何言ってくれちゃってんのー!?これじゃ私も仲間だと思われちゃ…あーあのナズナちゃんのあの顔。「馬鹿じゃねぇの?」って顔。必死に顔で「言わないで!内緒にして!」っと訴えれば呆れた表情でため息を吐かれた。ほ、本当に分かってくれたのか?
「ソウジー、早く殺っちゃおうよー」
な、ナズナちゃん?
その言葉に頷いたソウジロウくんは腰に付いた刀を引き抜くと侍さながらに構える。
生命の危機よりもその格好の良さに惚れ惚れ魅入ってしまう私はもう末期なのかもしれない。
(成敗させて貰います!)
(どうしよう、どうしよう。ガタブル)
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