曲がりなりにも…


!)女体化ネタ
・ネズミが女体化したすぐ後くらい
・二人ともキャラ崩壊
・紫苑さんがド変態



「きみのことが知りたい」
「…あそ」
「え?あれ?」
「なんだよ、その反応」
「心臓タッチの展開にならないの?」
「は?」

天使のごとき紫苑が浮かべる悪魔の微笑みほど、恐ろしいものはない。
その笑みを浮かべながら紫苑が近づいてくるものだから、ネズミは必死で後ずさる。

「え、ちょ、待て、おれがいま、どういう状況か、あんた分かってないはずないよなっ」
「わー二重否定の文法使ったねーネズミー賢い賢いよしよし」
「待て待て待て待て、その手を引っ込めろ、というかおれの話を聞け!」
「きみがここに生きている事実を確かめるために、まずは心臓の音を…」
「だーっ、待て、今おれは曲がりなりにも女の子なんだからな!胸さわったりしたらセクハラだぞ!まじであんた、変態だったんだな!」

ネズミの平手が飛び、紫苑の頬が音高く鳴った。
だが紫苑はさして痛そうな様子でもなく、まだへらへら笑っている。

「あ、いいんだよ、ぼくは。ネズミが巨乳じゃなくても」
「…ほんとにあんた、おれの話を聞かないな!」
「え?聞いてるよ?きみこそ、覚えてないんだね」
「は?なにを」
「この前『巨乳じゃなくて悪かったな』って言ってたからさ」
「言ったか?」
「うん。でも大丈夫。ぼくは美乳派だから」
「…は?」
「ネズミって、貧乳の一歩手前の大きさだけど、形が綺麗で美乳だから、すごくぼく好み」
「え、形が、って、あんた見たことないだろ」
「なに言ってるの?Tシャツのふくらみ具合で胸の形くらい分か…」

今度はネズミの拳が、紫苑の頬にめり込んだ。

「今からおれは風呂に入るからな!紫苑、間違っても入ってくるなよ」


fin.
20111114

そんなネズミさんの言葉を紫苑さんが守るはずないよね。


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