詰め合わせ | ナノ
カリムの顔が好き



はあ〜…ほんと、カリムの顔って私の好みだわ。カリムの横顔を盗み見ながらそんな事を考える。うん、横顔も綺麗。顔だけ見れば百点満点なんだけどなあ。勇者がどうのとか、そういう子供っぽい言動がなければ言う事ないのに。…もう少し経てば大人びて言動もマシになるかしら。ジッとカリムの顔を見つめていると、彼は私の視線に気が付いたらしい。こちらを向いてどこか呆れを含んだような笑みを浮かべてみせた。


「またボクに見惚れてるの?」

「うん。だってカリムの顔ってかっこいいんだもの」

「顔だけ?」

「そうね。その顔は本当に好みよ」


顔だけ好き。そう伝えられてもカリムは気を悪くした様子もなく、上機嫌に笑っていた。歩み寄ってきたカリムに手を伸ばし、その綺麗な顔に触れる。頬に指を滑らせるとカリムは擽ったそうに目を細めた。カリムも同じように私の方へ手を伸ばし、私の頬を両手で包み込む。それからカリムは急に私に顔を近付け、至近距離で「勇者の不意打ち!」なんて台詞を言って…私に唇を重ね合わせてきた。


「なっ…!?」


触れるだけのキスをして、カリムはさっと私から離れる。突然の不意打ちに動揺して動けない私に、カリムは「踊り子は勇者に魅了されて動けない!」と愉しげに呟いた。踊り子というのは私の事らしい。カリムが勝手にそう呼んでいる。それにしても…台詞はともかく、カリムってこういう事も出来たのね。


「…私は初めて会ったときからアンタに魅了されてるわよ」

「知ってるよ。そのままずっと、ボクに魅了されててね」


そう言ってカリムは私の唇を指でなぞる。まさかカリムの顔以外にドキドキする瞬間が訪れるとは思ってもみなかった。…顔だけでなく、内面まで好きになってしまうのも時間の問題なのかもしれない。

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リクエストBOXより
サイケまたしても*カリム/女主/「顔が良い」という理由で年上夢主に可愛がられ満更でもないカリムの話

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