部長になるということ。あたしは、朱鳥先輩に、

「なんであたしなんですか?」 って聞いた。

この訳ありの部活をまとめられるかなっていう不安があったから。

「うちもね。部長になんてなるもんか!って思ってたのよ。
だって、うちの前の部長、波香先輩、完璧な部長だったし、
正直うちより葵のほうがむいてると思ってたから。
でも、波香先輩はうちを選んでくれた。だから、こうしているんだけど…。」

 朱鳥先輩は、そっとあたしの肩に触れた。
「成留は、さ。うちらの部活には珍しい家庭円満じゃん。
各々の都合で、殺伐としてたのよ、ここの部活自体が。
だから、成留とか亜良みたいにほわんとした癒し系がいてくれて、
すごく救われてるのよ。うちらがいなくなっても、成留がいる限り
大丈夫って思えたのよ。……実際、成留が入ってくれなかったら
永久に任せるしかなかったからねぇ。」

先輩の短い髪が視界に入った。 
長かったころより、もっと先輩の性格もさっぱりしてて、
前に抱えてた問題も良い方向に向かってる証に思えた。
 
―家にて―
 奏哉へ、メールをした。
 
TO 奏哉
 今日、あたし部活の部長になることが決まった〜
 奏哉のとこは?
 
 数分後。
 
 TO 成留
 俺んとこは七瀬 永久っつーやつかな。
 んで、俺が副部長かな。
 
 TO 奏哉
 そっか〜〜。明日7:15に迎えにきてね
 
 TO 成留
 分かった。
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