拝啓、カミサマ | ナノ
44
「山崎氏ィィィ!」
「うっさいな!オタクは黙ってろよ!!」
「山崎氏ィ…みょうじ氏が、みょうじ氏が!」
「ンだよ、」
「攫われてしまったでござる!」


どいつもこいつも何なんだよ。クソったれ共が!!!
よし、携帯は繋がる。即座にGPSを検知させ急いでその場所へ向かった。今度は、今度こそは…俺が護る番だ。


「なまえ!!!」


ダンッ!と勢い良く開けた扉の向こうに居た彼女は、何故か敵と談笑していた。



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勢い良く扉が開く音がして視線を向ける………ってエェェ!?よりによって退かよォォォ!


「なまえ!」
「誰だテメェ、」


え?ちょっと待って。誰か解ってないって事は…


「ねぇ、アンタらが呼んだのって…」
「コイツじゃぁねぇ、土方だ。婚約者、なんだろ?」
「そうね、婚約者ね…」


退が来たのは予想外だけど、これは好都合。副長とまではいかなくても戦力になる筈…


「なまえから、離れろ!!!」
「んだと!?雑魚は黙ってろ!テメーはお呼びじゃねぇんだよ!」
「雑魚はそっちだろ!クソったれ共!!」


あ、黒い方だァァァ………これはやばいかも。これじゃ正常な判断が出来る筈も無い、


「ッ、」


案の定後ろから刺された。私の中の黒いモノが喚き蠢く。


「ちょっとアンタら、手ェ、出さないでくれる?」


コツコツと靴を鳴らし退に近づいた。冷静になんてなれる筈が無い…


「山崎ィ!上司になんて口の聞き方してんの?死にたいの?」



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無我夢中で駆け寄ろうとしたものの、周りが見えてなくて後ろからあっさりと。そんな俺に彼女は近づき、叫んだ言葉に耳を疑った。上司になんて口の聞き方してんの、と…
そんな事は有り得ないと思いたい。それでも俺が見たモノは、はっきりと示していて…彼女が纏っていたのは隊長格の制服だった。


「なまえ?」
「だから!みょうじサン、でしょ?山崎、」


スカートを捲り上げて拳銃を手にした彼女は、バァン!と上へ撃ち上げ、そして“次コイツに手ェ出したら、こうよ!”と、自身の頭へ拳銃を向けた。


お願いだからそんな真似しないで、
(大丈夫、死んだりしないわ)
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