拝啓、カミサマ | ナノ
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「結婚観に於ける色?何ですかそソレ?」
「だからアレだ、女ならウエディングドレスの色とかあるだろ」
「んー、」


万が一の打ち合わせと称して、コイツの本心を探る。通常な精神の場合、大抵の奴は白。ウエディングドレス然り、白無垢然り、結婚式とはそう言う物だ。だがそんな一般的な事ではなく、裏側に真意があるらしいとこの間町で耳にした。
俺はここ三週間コイツを見てきたが、知らない事ばかりだと気付かされる。それはアイツ、山崎に向けた視線の意味合いも込めて。


「副長とだったら白、ですかね。副長としては知ってるつもりですけど、男性として、土方十四郎の部分は知らない事ばかりですからね。これから染まる、って意味で白かな」
「…そうか」


染めてやりたいと心から想った。真っ白なコイツを俺で。でもこれは只の前置きにしか過ぎない。本当に聞きたいのは…


「山崎の場合だったら、どうなんだ?」
「退ですか?勿論、」


続けて綴った言葉を否定したくて堪らない。そうであって欲しくなかった。


「黒、それも漆黒の…知ってます?これってね、貴方以外には染まらない、って意味らしいんですよ」


あぁ、やっぱりそうか。俺に嵌る隙は、もう無ェ。


「みょうじ、好きだ」
「…え?」
「だから!俺はお前が好きだ」
「副長、頭打ちました?」
「あのなぁ…」
「有難うございます。でも私、退以外じゃ無理みたいなんで、ごめんなさい。」


少し微笑みながらそうはっきり告げられる。


「だろうな、あぁ、格好悪ィ」


惚れた奴にはしっかり幸せになってもらわねェとな。これからどうやってやろうかと考えていたが、次の一言で俺は唖然とするしかなかった。


万が一、初恋が実らなかったら、その時はお願いしますね。
(嘘だろ!?)(副長!煙草落ちましたよ!)(っあっつ!)
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