拝啓、カミサマ | ナノ
28
「はぁ…」


結局あれ以来、これと言った行動も起こせずに一週間経った。なまえちゃん最近笑顔増えたし何か楽しそうだなぁ…振った後凹んでるように見えたのは何だったんだろう。と言うかあの変わり様は一体…


「何浮かねェ顔してんでィ」
「アンタは楽しそうですね」
「あ、そっかぁ〜!山崎はなまえと別れて傷心中かぁ〜♪」
「その嫌味ったらしい言い方やめてくれません?泣きそう…」
「………。」
「え!?今度は黙り込むんですか!」
「傷心中っての否定しねェなァと」


そうか。一応(と言うよりそうだけど)俺から振ったって流れだから俺が傷心中って否定しないのが可笑しいのか。


「誰がですか!別れた途端に態度変わる様な女!毎日猫被って可愛い女演じて…あ、んな、女…」
「…テメェそれ本気で言ってんのか、山崎」


ヒィ!お、お、沖田さん目が本気だ…


「何か言えよヘタレ!」
「だ、だ、だってそうでしょう!猫被って何から何まで上手に騙されてたんですよ、俺達?」
「それにまんまと引っ掛かったってかィ?」
「そうですよ…まんまと引っ掛かりましたよ。しかも土方さんに逆プロポーズだなんて、笑えますよね」


あぁ。自分から振っておきながら心にも無い事を言いながら何泣いてんだろ、俺。こんな事言ってもどうにもならないし、遠回りになまえちゃんを傷付けているだけだ…


「笑えねェ」
「へ?」
「笑えねェっつってんでさァ!テメェはその眼で何見てきたんでィ?なまえだって最初から完璧な訳じゃ無かったし、料理が上手くなる度に褒めてたのは何処の誰でィ!」
「お、沖田さん?」
「山崎ィ!」
「は、はい!」
「泣いてるっつー事は、まだなまえが好きなのか、それとも好きじゃねェのか、答えなせェ」
「………好き、です」
「ヤンキーでもかィ?」
「最初はちょっと吃驚しました。でもよく考えたら俺の為に色々してくれた事には偽りありませんし…」


猫被りなんて撤回しよう。俺は、山崎退は、


「みょうじなまえさんを愛してます!」


堂々と自分の気持ちを言えたのはいつ振りだろう。でも間違いない、この気持ちは本当だ。
今更、彼女の気持ちを知りたいとかそんな図々しい事言えない。でも知りたい気持ちは否めない。


「一回しか言わねェんで、よく聞きなせェ」
「は!はい!」
「アイツは、なまえは…」


今でもテメェを愛してまさァ
(そ、総悟!何言ってんの!)(何時から居たんですかィ)(…最初から)
(うーわ、性格悪ィ)(アンタに言われたく無いわ!)
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