拝啓、カミサマ | ナノ
22
ワーキャーと響く野太い声、隊士から隊士へお酒を注ぎ廻る女中さん達。玲子ちゃんの寿退職会だよね、コレ?何で玲子ちゃん注ぎ廻ってんの!?何で征治郎いんのォォォ!?!?ふと征治郎と視線がぶつかりウィンクされた、気持ち悪…


「なまえちゃんどしたの?」
「よくあんなのと結婚出来るね、玲子ちゃんすごいわ…」


苦笑しながら“案外頼れるとこもあるし脱いだら凄いよあの人”と真剣に語る玲子ちゃん。脱いだら凄いって何!?てかソコなの!?!?まぁ人の色恋にとやかく言うつもりもないし、素直に決めた二人を応援しよう。


「それよりさ、」
「ん?」
「例の作戦、私も協力するから何でも言ってね!なまえちゃんを傷付けたら私が許さないから!」
「玲子ちゃーん!!」


彼女の優しさと男所帯で鍛え上げられたであろう根性に嬉しさを隠しきれず、玲子ちゃんに抱き付いた。昔から退に関する相談にのってもらったり、時に退に指摘したりしてくれた彼女が同期で良かった。この瞬間から同期から頼れる姉貴…いや親友だ!と某ゲームのレベルアップメロディが脳内に流れる。
“玲子ちゃんも呑みなよ、主役なんだから”とお酒を注ぎ征治郎の席へと促した。二人を見ていると案外お似合いで、このすっとこどっこいめ玲子ちゃんを泣かすなよ!とテレパシーを送ったが、気付くはずも無い。とりあえずアレだ、リア充爆発しろ。



--------------------
----------



最近土方さんが大人しい。大人しいっつーか気持ち悪ィ…あ、気持ち悪ィのはいつもか。芝居とは言えなまえとの婚約をしたからだろう。テメェがなまえに惚れてるなんざ知ってらァ、バレバレなんでィ。
徳川家から戻ってきてなまえから話の顛末は大体聞いた。“あの時の副長、何か格好良かった!”とかほざいてやしたがソレに託けて本当に結婚しちまうのは腹立たしい。好きな女にくらい正面から向かったらどうなんだ、こんなんだったら山崎の方が相当マシでィ…
つー事で何だかんだ悪友であるなまえには山崎と幸せになってもらいやしょうかねェ。じゃねェと土方コノヤローを殺しにくいじゃねェですかィ。そう思いながら山崎に微笑みかけ、指を突き立てた。


お、沖田さん…怖いです
(なァに、協力してやろうってんでィ)(そんな風には見えません、)
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -