拝啓、カミサマ | ナノ
20
「婚約破棄は黙っておいて、とか言って無かったか?」
「そうなんですけど、玲子ちゃんの退職理由が征治郎ですし、隠してても直ぐ暴露ますよ」
「あぁ、それもそうか」


あれから数時間後、打ち合わせと称して盃を交わしていて…


「処で、副長はなんで協力してくれる気になったんですか?」
「…嫌がらせ?」


副長らしいと思う反面、鬼の副長とも恐れられた人がこんな顔もするのかと少し緊張も解れた。お互い制服では無いからか、気も緩みお酒が進む。



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何だこいつは…酒が入るとこんなになるなんて…山崎に振られ元に戻った時は女は怖ェとまで思ったのに、今のみょうじはヤバイ。
髪を下ろした姿も、紅く染まる頬も。全て俺のモノにしたいという独占欲と理性が渦巻く。こんな良い女が山崎と付き合っていたと思うと余計腹が立った。もっと呑ませて酔わせて、あわよくば…



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ちょっと待って…え?なまえちゃんって許嫁居たよね?と言うか甘味屋での旦那とのやり取りは何だったの!?何で副長に逆プロポーズしてんのォォォ!?もう何も頭に入って来なくて、次々起こる彼女の変わり様に少し困惑せざるを得ない。
盛り上がっている雰囲気が廊下まで伝わり、虚しさで胸が張り裂けそう…惨めで自分勝手で、堪えきれずに泪が溢れる。
もう一度、二人で…そう云えたらどれだけ楽か。云いたい言葉を飲み込んで、俺はそっと部屋へ戻った。


其々の想いは胸の中
(ふくひょー!おはわり!)(マジでヤベぇ…)
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