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銀時が本気かどうかなんて到底分からない。けど目が死んでたから多分冗談だろな。そう思っていたら何故か退の気配までしてきた…
ここに居るはずも無いし、私の事もどうでもいい筈。居るかどうかの確信なんて無いけれど、無性に腹が立ってきて、私はテーブルから紙ナプキンを、そして鞄からボールペンを取り出した。
「実家帰って言われたんだけどさぁ…私来週、結納らしいわ」
“茶番に付き合え、退が居る”
「マジかよォォォ!?」
「何年も前の約束だったからねぇ。忘れてたよ」
“報酬は銀時の言い値で良いわよ”
「じゃぁ俺と駆け落ちでもする?」
咄嗟に書いた言葉に銀時は本当に合わせ始め、私のボールペンを取り上げて紙に“百万円でお願いします!!”と書いた。
「無理よぉ、親に逆らえる訳ないじゃない」
“じゃぁ百万は頭金で、”
「俺たちの愛も、なまえの親には通用しないか」
「残念ね」
二人してはぁ、と溜め息をつくと、退の気配はもうどこにも無かった。
「ありがと、銀時。もう良いわよ」
「つーか結納はリアル?」
「二十歳の誕生日に結納とは言ってたけど、かなり昔の事だから分からないわ」
「親が覚えてたらガチじゃねーか」
結納がどうこう言っていたのは私が十歳くらいの時だっけかな?父上が何とかしてくれるらしいけど、さすがに来週の事は無理かもしれない。銀時と恋人ごっこをしていても何もならないし、顔が割れているコイツじゃどうにもならない。だけどアイツと結婚するくらいなら銀時と居る方がマシだと思った。ただ一つ、分からない事…それは
退が此処に来た理由(何で居たんだろ…)(つーかパフェ追加して良い?)