嘘でも言えない






―シンドリア王宮内―

王宮内を移動中、不意にアリババがアラジンに問いかけた。


「え、ジュダルくんのこと、どう思ってるかって?
そうだなぁ……」


アリババの投げかけた質問に、アラジンは歩きながら答える。


「あの人は見た目通り意地悪で頭が悪くて性格がひねくれてて、全然僕に優しくしてくれないんだ。
夜な夜な遊びに来るけど、遊びなんてもんじゃないよ。殺し合いだよ。
皆が寝静まっているのをいいことに、本気で勝負を仕掛けてくるんだ。有り得ないよね?



だから、僕はあの人のこと………





――――――ううん、なんでもない!!」









―煌帝国禁城内―

「は?俺がチビのことをどう思ってるか?」


呆れた様子のジュダルに、紅玉が首を縦に振る。


「あー…あいつ、見た目はチビのくせに腹黒いし全っっっ然可愛げがねえの。
毎回俺が遊びに行ったら開口一番「勝負しよう」だぜ?有り得ねぇだろ!!
俺遊びに行ってんのに!
なんで戦わなくちゃなんねえんだよ!って感じじゃね?
んで、一回聞いてみたんだよ
「なんで戦うんだ」
ってな。

そしたら、「楽しいから」だってよ!頭おかしいんじゃねえの!?


だから、俺はアイツのこと………




――――――やっぱ何でもねえ」














例え嘘でも





『大嫌い』


なんて








(言えないよ…)

(言えねえよ…)








――――――――――――


(ジュダルってとんでもなくアブナい奴なんだな…。
もうアラジンと関わらせないようにしよう…)



(あの子、意外とアブナい子なのね…。ジュダルちゃん大丈夫かしら…)









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