君に伝えたい
会話は一切ありません。
アラジンが語っているだけ。
もし世界を救った反動で、アラジンの寿命が大幅に削られてしまったら――――
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ジュダルくんへ
ねぇジュダルくん。君はきっと信じないんだろうけど、人は皆同じだけの幸せと同じだけの不幸を与えられてるって話……僕は本当だと思うんだ。
だってさ、君は今まで不幸だった分、今とっても幸せだろう?
僕は、僕が思う限りではずっと幸せだった…。
ウーゴくんと友達になって、アリババくんたちと冒険して、沢山魔法を学んで、君と出会えて、君のいる大好きな世界を救えて………とても、幸せだったんだ。
でも…ね?
こんな幸せを置いて逝ってしまうなんて、これ以上ない不幸だとは思わないかい?
僕はきっと、欲張りすぎてしまったんだ。
欲張った僕がこれ以上幸せにならないように、神様が不幸を送り込んできたんだ。
ね?それならしょうがないよねぇ…。
平等に与えられた幸せをこんなに早く使い切ってしまうなんて、僕はなんて幸せ者なんだろう…!
でもね、ジュダルくん。君は今まで凄く苦しいことばかりだっただろう?だから、これからの君にはきっと幸せしか訪れないよ。
僕が居なくなるという最後の不幸を乗り越えて、君は幸せになるんだ…。
最後に、君にお願いがあるんだ。聞いてくれるかい?
僕たちが救ったこの世界の行く末を――――――僕が見れなかった本当の世界を、代わりに見守っておくれ。
それだけで、僕はずっと幸せでいられるから――――
今までありがとう
先に行って、待ってるね。
アラジン