(俺+お前)×依存A




アラジンside




窓から差し込む太陽の光と小鳥たちの囀りで目が覚めた。



今日もまた、いつもと変わらない一日が始まる。







「あっ。アリババくん、
モルさん、おはよう!!」


朝食を取り部屋を出ると、見慣れた姿が目に入り声を掛けた。



「おう、アラジン」


「おはようございます」


見ると、どうやら2人は
どこかへ行く途中だったらしい。


「2人で朝から何処に行くんだい?」


僕の問いに、アリババくんが気まずそうに答える。


「あー……実は、シンドバッドさんに呼び出されて」


「おじさんに?」


自分には知らせずにこの
2人だけを呼び出すなんて、何か自分に聞かれては
マズい話でもあるのだろうか…。


「それ、僕も付いて行っちゃ駄目かなぁ?」


遠慮がちに聞いてみる。


「それが、アラジンは連れて来ないでほしいと……
シンドバッドさんが」


やっぱり。



「俺とモルジアナだけってことは、多分眷属器のことだと思うんだよ。シンドバッドさんとしては、その間にもアラジンに修行してほしいんじゃないか?」



アリババくんが焦りながらそれらしいことを言ったけれど、多分僕に関係する話なんだろう。



「そっかぁ……。おじさんがそう言うなら仕方ないよね」


「お…おう。悪いな」



「じゃあね」と笑顔で言って2人と別れる。

自分のことでどんな話をするのか少し気になったが、それは後で聞けばいいだけのことだ。よっぽど悪い話でない限り、少しくらいは教えてくれるだろう。


僕はふっと息を吐き出し、自分の部屋へと戻った。



(なんだかなぁ……)


ここ最近、色々と調子が悪い気がする。
身体的にも、精神的にも…




あの人が来なくなってから






(でも、来ないでって言ったのは僕の方だし…)


慌てていたとはいえ、あの別れ方はかなりマズかった。
理由も言わずに一方的に突き放しておいて、今更寂しくなるなんて……


(そんなのダメだよね…)


自分の我が儘でジュダルくんを振り回したくはない。


(会いたいなぁ)



まさか自分がここまで彼に依存しているなんて思いもしなかった。
ジュダルくんと会わなくなってから修行にも身が入らず、ヤムさんに何度も注意を受けたり、アリババくんの話が全然頭に入ってこなかったり……。


(ほんと、僕ってダメだなぁ…)



そんなことを考えるのも辛くなってきて、僕は修行をしてもらうためにヤムさんの所へ行くことにした。



――――――――――
―――――――
―――――
―――



「じゃ、今日はこのへんにしときましょうか」


定時の鐘もまだ鳴っていないのに、ヤムさんは修行を切り上げるように言ってきた。


「え…でも、まだ終わる
時間じゃ……」


「たまにはいいのよ!
アラジンくん、最近疲れてるみたいだし。
それより、ちょっとお話でもしない?」


「お話……?」


「そ。師弟の絆を深めるためってことで。
どうかしら?」


「うん、いいよ」


僕がそう答えると、ヤムさんは微笑んで話を続けた。


「まず、一つ質問しても
いいかしら?」


「うん」


ヤムさんが、ジッと僕の
目を見つめる。


「最近、悩み事があったりしない?」


「えっ!?」


いきなり直球な質問をされ、僕は思わずたじろいでしまった。


「よかったら聞かせてくれない?」


「え、いや、その…。
悩み…とか…は……無…い」



「本当に?」


「本当だよ!!」


「ふぅん…。それならいいんだけど?」


ヤムさんは納得しきっていなかったようだが、その後は他愛も無い話を二人でした。誰かと楽しい会話をするのはとても久しぶりに感じて、本当の笑みをこぼしたのもあの時以来だった。





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