(俺+お前)×依存



「苦悩、発覚、距離」の続きとなっております。
――――――――――――


ジュダルside




あの突然の別れから、早くも三週間が経っていた。
暇すぎる。
何もやる気が起きない。


俺ってやっぱり

アイツが居ないとただの
ダメな奴なんだな……。







「あらぁ…ジュダルちゃん、最近あの子の所に行ってないみたいだけど何かあったのぉ?」


「………別に」


紅玉の問いかけに、俺は素っ気なく返す。
できればそのことは言わないでほしい……。


「大方ちょっかい出して愛想尽かされたんでしょう。自業自得でありますね」


「うっせぇメガネ。お前は黙ってろ」


コイツにだけは言われたくねぇ。
くっそ……苛々する。


「ダメよぉ、夏黄文。
ジュダルちゃんは今機嫌が悪いんだからぁ」


「別に悪くねぇし」


「そんな怖い顔で言われたって説得力無いわよぉ。
会いたいんなら会いに行けばいいじゃない」


「…………」


(そんなに簡単な話じゃ
ねぇんだよな…)



会いに行けるもんならとっくに行っている。
だが、それはアラジンが俺を望んでいたらの話。
向こうが会うことを望んでいなければ会うことなんて出来ない。


しかも最悪の別れ方。


(もうダメだろ……)


考えれば考えるほど気が滅入ってしまい、「はぁ……」と大きな溜め息をつく。



「気にすること無いじゃない。ただの倦怠期でしょ?」


聞き慣れない紅玉の言葉に俺は首をかしげる。


「「けんたいき」って……
何だよ?」




俺の発した言葉にその場が静まり返った。
紅玉と夏黄文は目を丸く
している。




「え………ジュダルちゃん、もしかして倦怠期の意味
知らないの?」


「知らねーけど?」


俺がそう言うと、夏黄文は後ろを向いて笑いをこらえる。

腹が立ったので、取りあえず一発殴ってやった。



「倦怠期っていうのはねぇ、恋人同士がお互いに距離を置くことよぉ。
あんまり倦怠期が長く続いちゃうとそのまま別れちゃったりするけれど、それを乗り越えた恋人同士は今までより固い絆で結ばれるのよっ!!」


「へぇ……。実際恋愛なんかしてねぇくせによく知ってんな」


「煩いわね!ちょっとくらい予備知識があったっていいじゃない!!」


反論する紅玉に賛同するように夏黄文も「うんうん」と頷く。


「確かに姫は生まれてこの方恋愛とは無縁の人生を歩んでこられました!
しかし、知識だけなら誰よりも多いのであります!」


「お前はいちいち一言多いのよ夏黄文!ちょっと黙りなさい!」


紅玉に一喝されさすがに
ヘコんでしまったようで、夏黄文は口を噤んで部屋の端っこで大人しくなった。

ざまぁみろ!!




「あ…でもさぁ、その倦…ナントカ期ってのは多分関係ねぇわ」


「なんでよ?」


「え、だってアイツと俺ってそんな関係じゃねぇし」


俺がそう言うと、紅玉は
驚いたように聞き返してきた。


「あれだけ夜部屋に通ってたのに?」


「あれは話をしに行ってただけだからな」


「でも、あの子のこと好きなんでしょ?」


「まぁ、好きっちゃ好きだけど……そういう好きとはなんか違うっていうか…」


「恋愛感情ではない、と?」


「いや、そういうわけじゃなくて………」



深く考えれば考えるほど
分からなくなってくる。

向こうがどんな認識で俺と今まで付き合ってきたのかも分からないし、自分自身どう思っていたのかも正直よく思い出せない。





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