(俺+お前)×依存






「ゔー………」



「はぁ……ジュダルちゃんはこんなんだし、あの人は帰っちゃうし………退屈だわぁ…」


「あ、シンドバッドのやつシンドリアに帰ったのか」


あんまり絡むことがなかったから忘れてた…。
ってか、アイツがシンドリアに帰ったらもっとアラジンの所に行きにくくなるんじゃね?

あー…やっぱりもう無理
だろうな……。



「そうよぉ…。もう少し滞在されてもよかったのに…」


「あんな奴のどこが良いのか理解できねぇわ」


「ジュダルちゃんには一生理解できないわよっ!!」


「あっそ」



別に理解したくねぇし。



「あぁ、今頃どうされてるのかしら……。
あのお方のことだから、
きっと国民のためにお仕事に励んでらっしゃるに違いないわ…!」


「いや、酒飲んで寝てるか女と遊んでるかだろ」


目を輝かせて明後日の方向を見ている紅玉に呆れ適当に返事を返す。
あながち間違ってはいないだろうが……。



「あぁぁぁ……気になるわ!あ、そうだわ



ジュダルちゃん、ちょっと見てきて頂戴」


「はぁ!?何で俺が……」


「お願いよぉぉぉ…!
ジュダルちゃんにしか頼めないのよぉ」


涙目になりながら紅玉が
俺のズボンをぐいぐい引っ張ってくる。


「ばっ…引っ張んなよ!
わかったよ……行けばいいんだろ行けば!!」


「本当ぉ?じゃ、行ってらっしゃぁい」


微笑みながら手を振る紅玉を軽く睨み付けながら絨毯に飛び乗る。


(ま、シンドバッドの様子を見るだけだしな)


シンドリアまで行って
ちょっと絡んでサッと帰ればいいだけの話だ。

よしよし、と自分の中で
計画を立てながら、ある
疑問が浮かんだ。



(あれ?そういえばチビって今どこにいるんだっけ?)











「あ」







思わず声が洩れる。




「畜生!あのババァはめやがったな!」



だが、出てきてしまったものは仕方がない。
今更帰っても逃げ出したと思われるだろうし、それだけは嫌だ。


(しょうがねぇ。行くか……)


やはり、一度会ってしっかり話をするべきかもしれない。実のところ、俺も
アラジンの様子を知りたくて仕方なかったんだ。

この機会を無駄にするわけにはいかない。


今思えばアイツの話をしっかり聞いてやれなかった。

それに、今回のことは俺にも否があったと思う。



(もし拒否されたら……)

その時はその時だ。
覚悟は出来ている。


「よし」と一言呟き、俺は会って話をする決意を固めた。




向かう先は、いつもの
あの部屋………







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